【格闘技】<月刊ドラゲー>キャラは強烈! パンチ富永2018年4月11日 紙面から
選手層が厚いドラゴンゲート。いわゆるイケメンといわれる選手が多いが、対極をいくようなキャラの選手も数多く存在する。今回の相手、PTことパンチ富永(31)もそのひとり。名が示すとおり、このご時世では珍しいパンチパーマのヤンキースタイル。その風貌は超個性的だが、なぜか子どものファンから「パンチくん」と呼ばれて親しまれる不思議な選手。ああ見えて実は苦労人の彼の本質に迫ってみた。(聞き手・仲田美歩) -なぜプロレスラーに 富永「父が大のプロレス好きで、初観戦は6歳のときにW★ING(ウイング)のデスマッチ。そのときは、まだ幼かったので、とにかく怖くて大泣き(笑)。その後、小4で全日本プロレスを観戦。当時は四天王(三沢光晴、川田利明、小橋建太、田上明)やジャイアント馬場さんが出ていて、今度は試合に感動。小5で自分もプロレスラーになろうと思い始めた」 -誰のファンでした 「新日本のケンドー・カシン選手に憧れた。その影響で自分も関節技を習うようになった」 -なぜドラゴンゲートに 「スピード感があって、自分と同じくらいの身長の選手が輝いている姿がかっこいいなと思ったから」 -子どものころからのスポーツ歴は 「空手と柔術。体力づくりのため部活として陸上もやっていました」 -入門してから5年目のデビューはドラゲーでは遅い方 「やっぱり悔しかった。何度かやめようとも。でも当時のコーチがYAMATO選手で『なんでまだ練習生なの? こんなにできるのに』と、べた褒めしてくれたので、あきらめないで続けられたのかも」 -そしてようやくデビュー 「夢がかなったとうれしく思う半面、それまでずっとセコンドに付いていたので、いざリングに上がるのかと思うと不安も大きかった」 -お父さんはどうでした 「父もプロレスラーになりたかったけれど身長が足りずあきらめた。息子の自分が夢をかなえてくれたと喜んでくれた」 -レスラーになって発見したことは 「ロープが意外と固いこと。入る前はビヨヨ~ンとゴムのように気持ちよく伸びるものだと思っていた。これがメチャ硬い。初日で背中を痛めた。練習生はロープの跡がアザになる」 -2014年7月3日、後楽園ホール大会で試合に負け、その場でパンチパーマに。リングネームも現在のパンチ富永に変更した 「最初はイヤでイヤでしょうがなかった。親も頭を見て『何だそれ』ってあきれてたし。ただ、素の自分は恥ずかしがり屋なので、これはイメチェンみたいなものだと割り切った」 -パンチパーマをキープするためどうしている 「神戸と東京にひとつずつ行きつけの美容室があって、3週間に一度はパンチパーマをかけている。値段も9500円と安くないし、3時間くらいかかるので大変。なりたてのころは服装もヤンキースタイルだったけれど、あまりにも職務質問されるので、今は帽子をかぶって普通の格好をしている」(苦労が多いんですね) -好きな食べ物は 「おすし! 好きなネタはマグロの赤身。プロレスラー以外の職業につくなら、回転ずし店をやりたい。おすしもまかないで食べられるし」 -好きな女性のタイプは 「外見は気にしない。性格がいい人でニコニコ笑ってくれる人がいいですね」 -息抜きは 「ペットショップをのぞくことかなぁ。実家では『パンチくん』という名のヨークシャーテリアを飼っている。実は保健所から引き取った犬なんだ」(毛がフサフサな犬なのに『パンチくん』なんですね) -弱点は 「ノーと言えない。典型的日本人タイプだな。人の目を気にするし」 -3月3日には念願のオープン・ザ・ブレイブゲートの王座を獲得した(現在はドラゴン・キッドが保持) 「デビューした時の最初の目標だったんで、とったときは第2の夢がかなったと思ってうれしかった。6年6カ月と、だいぶ時間がかかったけど」 -5月6日の愛知県大会では、7人が同時に戦うメインの金網マッチにエントリーされた 「最後まで負け残ると髪の毛を切られる。せっかくパンチが定着してきているので、パンチを守りたい。負けたらパンチ富永でなくなってしまう。これだけは死守したい」 -パンチパーマ以外に挑戦してみたいヘアスタイルはありますか 「残念ながら、あまり髪の毛がないんで…。パンチやめるんだったら、いっそのこと頭を全部そり上げるかな…」(よく見ると、なかなか端正なお顔立ち。美僧侶っぽくてイケるかも) <パンチ富永(ぱんち・とみなが)> 本名・富永千浩。1986(昭和61)年7月29日生まれ、東京都板橋区出身の31歳。175センチ、75キロ。入門5年目の2011年9月デビュー。当初は本名だったが、14年7月、試合に敗れた罰としてパンチパーマになり、同時に現リングネームに改名。今年3月、初のシングルタイトルとなるオープン・ザ・ブレイブゲート王座獲得(防衛回数0)。通称PT。得意技はPTキック、関節技。
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