農業にリスクアセスメントを取り入れよう

近年、様々な場所で労働災害防止のため「リスクアセスメント」を取り入れ始めています。

農業においても、リスクアセスメントの導入が重要です。

聞いたことのない人もいると思うので、簡単に説明すると危険をよんで、事故や災害を起こさないようにすることを言います。

農業では、農作業での事故や機械操作での死亡事故が多くあります。

そんな被害をなくすためにもリスクアセスメントを取り入れていくことが重要です。

今回は、具体的にリスクアセスメントとはどんな内容か、どのように気をつけなければならないのかやり方を紹介したいと思います。

リスクアセスメントとは

これから行う作業が、どれくらい危険(リスク)かを決めて事前に評価(アセスメント)することをリスクアセスメントと言います。

この狙いは、作業現場で事故や災害が発生しそうなところを全て洗い出し、どれくらい危険なのかを評価して対策を実施すること。

簡単に言うと、リスクを小さくするためにみんなで考えて解決しようとするものです。では、「リスク」とはなんなのでしょうか。

リスクとは

リスクとは、危険要因によって災害が発生する危なさの度合いのことを意味します。

例えば、環境のリスク、自然災害のリスク、化学物質のリスク、投資のリスクなど様々です。

農業の現場をリスクとして見ると、結構リスクがあることがわかると思います。

これは、ただ単に被害が非常に大きいから避けるべきだと決めつけるのではなく、それがどの程度の確率で起こるのかといった視点が大切です。

リスクはとても曖昧なもので、人によってイメージや価値観が違います。なので、リスクは非常に危険で絶対に避けるべきだと考える人もいるでしょう。

また、リスクは悪だと思う人もいるでしょう。

リスクを負うことで当然それなりのリターン(利益)があるという考え方が必要です。

リスクとは危険性を考えるだけではなく、「リターンを得るためにリスクを負うのだ」という考え方を持ちましょう。

リスクの評価

自分の農業におけるリスクを洗い出したら、リスクレベルを評価して、それが許容可能なリスクかどうかを判定しましょう。

リスクレベルとリスクへの対応は次のように考えることができます。

リスクレベル リスクへの対応
受け入れ不可能で即座に回避する必要がある
受け入れ不可能で抜本的対策をする必要がある
受け入れ不可能で何らかの対策をする必要がある
許容可能で特に対策が必要がない
受け入れ可能で対策の必要がない

「受け入れ可能」とは、問題なく受け入れられるリスクのこと。

「許容可能」とは、リスクはあるのものの、作業者に及ぼす影響がほとんどないとされるものです。

許容可能なリスクレベルになれば良いというものではありません。できるだけリスクを下げる努力をしましょう。

リスク低減対策の実施

リスクを評価して許容可能なリスクレベルを超えている場合は対策を実施しましょう。

評価して対策を考えてもやらなければ意味がありません。

リスクレベルの高いものから優先して改善します。

その他のレベルのものも優先度に応じて改善していってください。

そして、改善したら結果を公表して1人ひとりの認識を共通のものにすることを忘れないようにしましょう。

リスクアセスメントの効果とまとめ

こういったリスクを評価して改善していくことによって農業の危険な作業が浮かび上げられます。

そして改善を繰り返していくことで、農業現場の安全性をあげることができます。

農業は大型機械などを使用することがあるので、安全に作業をするためにもリスクアセスメントを取り入れるべきではないでしょうか。

この記事を読んでリスクアセスメントを始めようとしている農家に言いたいことは、頭でっかちにはならないでください。

しっかりと理解することができていなくても何となくでもいいので実践してみてみることが大切です。

知識は後から付いてきます。

リスクアセスメントを取り入れれば今まで見えていなかった危険がわかり安全に農作業をできるのではないかと思います。