最も身近な大人だからこそ、会話を大事に!
PARENT2018/04/04お子さんが、何かやりたい!と言った時、最も大事なのは「お子さんの意欲を肯定する寛容さ」です。現在の就職事情に精通する人財育成コンサルタントから親御さんへのアドバイス。今回のテーマは『お子さんの能動力の引出し方』です。
こんにちは。人財育成コンサルタントの吉田竜一です。
今回は、「能動的な経験の持つ魅力」についてお話をします。
完全なる私見ではありますが、学生の趣味が、外の世界に対して能動的なものになるほど、面接やES(エントリーシート)から好印象を受けることが多いです。
具体例をいくつか挙げてみます。
「音楽鑑賞」よりも「バンド活動」
「読書」よりも「小説(詩、記事等)を書く」
「スポーツ観戦」よりも「スポーツを実際にプレイする」
「YouTubeを見る」よりも「YouTuberとして動画を作成してアップする」
(「前者」よりも「後者」の方が高評価を得やすい)
上記のように、趣味や特技が外の世界に向かって能動的に働きかけるものであると、その活動をする上で自然と「自分で計画を立てる」「やってみる」「結果や反響を確認する」「反省点を踏まえて改善する」という試行錯誤を行うことになります。いわゆる“PDCAサイクル”を回すことです。
そういった経験を語ることができれば、「主体性」や「粘り強さ」、「問題解決力」などの評価に繋がりやすいように私は感じます。
こういう話をすると、
「子供の安定的な生活を望む親としては、あまり趣味にばかりのめり込んで欲しくない…」
「進路まで完全に趣味の方角に振れていくのは不安…」
とおっしゃる親御さんがいらっしゃいます。
お気持ちは大変よく分かります。特に芸術系の趣味においては非常に顕著に表れますよね。
「そんなマイナー楽器のプロになっても食べていけないぞ!」
「漫画家で稼げるのは、ほんの一握りだけよ!」
というような親子喧嘩が、今日も日本中のどこかで発生しているのは間違いありません…。
しかし、お子さんの素の意欲を否定して、抑えつけるばかりというのは問題です。
「どうせ何をしたいと言っても親に否定される」と諦めてしまうと、お子さんは「主体性」「問題解決力」などを伸ばせないまま大人になってしまいます。それどころか、「人生を楽しめない」という、もっと大きな問題に直面することになりかねません。
お子さんが外の世界に向かって何かをしたいという意欲を示した場合、親御さん達にはそれを認める勇気を持って欲しい、と私は思っています。
特に、まもなく社会人になるお子さんの場合、意欲を潰してしまうのは、無気力な大人を作り出すという結果を招きかねない危険性があります。
また、外の世界に向かず、内に籠る傾向がある場合は、一刻も早く外に目を向けさせる工夫も必要です。
かつて、「好きな事をさせてみろと言っても、ウチの子はスマホゲームを楽しみたいから10万円くれ、と言います」と相談されたことがありました。
その時、私はこう答えました。
「『ホームページの開設費用は負担してやるから、そのゲームの攻略ホームページを作って、広告収入で10万円稼げ』と言ってみてはどうでしょうか?」と。
少し極端な例ですが、お子さんの能動性を引き出す工夫をすることも、親として重要な役割なのです。
「応援してやるからやってみろ!」という寛容さを、親御さんにはぜひ持って欲しいと思います。