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メロディ100点の歌詞マイナス100点 乃木坂46『シンクロニシティ』感想

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乃木坂46 『シンクロニシティ』

 

乃木坂46新曲『シンクロニシティ』感想。

 

「闇が深ければ深いほど、光も強く輝く」

って言葉がありますが、まさにそれ。秋元康がキモければキモいほど、乃木坂も輝きを増してきます。曲も、アレンジも、ダンスも、MVの構成も、メンバーのビジュアルも綺麗すぎて息呑む。

まずメロディの構成力がとにかくハンパなくて、最後大サビ後にAメロに帰結して、『シンクロニシティ』って曲が1個のストーリーとしてちゃんと完結してて聴後感ヤバい。Mr.Childrenの『名もなき詩』パターン。

そして、Aメロ終わりの「ウォウウォウ」が死ぬほど気持ち良い。

シュゥィーーーーーッ…ポォンッ…keep going! ウォウウォウ〜ウォウウォウ〜〜

静かなイントロからここで一気にパッと開けて曲が始まる感じ、耳も脳も溶ける。相変わらず48、46グループの楽曲は「ウォウウォウ」だとか「ヘイ!」の入れ方がべらぼうに上手い。

MVもメンバーの全員手足の所作が鶴レベル。ロングスカートの白ワンピで露出は極端に少ないのに逆にエロいっていう。

 

…だが歌詞がマジで糞。とんでもない闇。歌詞自体の内容もさることながら、とにかくメロディに対しての歌詞の詰め込み方が学校に忍び込む変態のソレ。音符4に対して8とか言葉詰め込むから、ロケットえんぴつ的に次のメロディにも歌詞が押し出されて、マジで終わってる歌いにくさ。

一回聴いてみてほしいんですけど、例えば

Bメロ

「少しだけこの痛みを感じてくれないか 信号待つ間にちょっとだけ時間をいいかい

Cメロ

「抱え込んだ憂鬱とか 胸の痛みも76億分の1になった気がする」

いやキモいキモい。普通、歌詞書くときってメロディに対して自分で口ずさんで言葉当てると思うんですけど、絶対コイツそれやってねぇな…っていう割り方。こんな譜割りされたらそりゃ口パクもしたくなるわ。昔は俺も音楽番組出てる乃木坂とか欅坂に対して「こんなあからさまに口パクしてて親泣くぞ」とか思ってたんですけど、こりゃ仕方ない。なんか秋元康って自分のアイドルのこと全員三浦大知だと勘違いしてんのか、実際ものすごい無茶やらせてるんですよ。こんな曲、生で歌いながら踊れっつってんのって、言ったらRPGにおける「能力ガッツリ下がるけど貰える経験値2倍になるアイテム」をボス戦まで着けてるみたいなもんで、普通の女子に化すハードルにしては高さが鬼。

しかも、こんな「電話ボックスに何人入れるか」みたいなマネまでして入れた言葉が全然大したことじゃねぇっていうのもヤバい。メロディに気持ちよく歌詞当てるなら「この」「ちょっとだけ」いらねぇし、「76億分の1」なんかパート割り当てられた子かわいそすぎるだろ。

 

でも、なにが一番ムカつくかって「全部計算ずくのでやってるキモさ」ってところなんですよ。さっき「自分で口ずさんで言葉当ててない」って書いたんですけど、たぶん奴にとってはそんなん関係なくて、わざと歌いにくくすることでサビ直前に違和感バリバリで持たせてリスナーのハラワタ煮えくらせてからの、サビで気持ち良さをオーバーフロー200%に持っていくっていうやり口。あえての歌詞マイナス100点じゃねえかと。

その証拠にメロの譜割りの稚拙さがウソみたいにサビは完璧で、パーン!とメロディに言葉当ててる。ワードチョイスも「誰だって誰だって」だとか「ハモれ」だとか、ちゃんと耳にも頭にも残る言葉を選んで、誰が聴いても一発で覚えられるくらいにキャッチー。完全に小太りメガネにしてやられた。

 

だから曲全体を通して聴いちゃえば歌詞が糞だとか、譜割りがどうのとか関係なくただリピート再生を繰り返す機械になる。

ほんと悔しいけど紛れもなく名曲です。秋元康に俺の意識がシンクロニシティ。ゲロれ。

 

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