「ネット世論」のついでに、もうちょっと。

「言いたいことは作品には込めろ!」
いや、無理なのだ。
これは芸術学上の議論から言える。

「芸術終焉論」

ここでも述べたのだが、繰り返す。
ヘーゲルはこの世の精神活動を三つに区分した。
「哲学」と「宗教」と「芸術」だ。

つまり、哲学や宗教では言えないようなことを、司るのが芸術だということだ。

これは逆も言える。哲学や宗教で言えるようなことを、芸術が言うべきではないのだ。
哲学や宗教で代替できるなら、そもそも芸術の価値はほとんどない。
そのための区分だ。

レオナルド・ダ・ヴィンチは絵画だけでなく、医学や天文学、物理学までありとあらゆる分野で活躍し、「万能の天才」と言われた。
それを君らは「画家は絵だけ描いておけばいいんじゃ!」「言いたいことは絵に込めろ!」とでも言うのか?
医学や物理学の業績で絵の評価が変わるのか?
まったくもって意味がない。ナンセンスだ。


言葉で言えること、他の分野で語れることは、作品に込めちゃダメなのだ。
知性も常識もないポタク程、この程度のことが解らない。