ライター sakaguchi nao
茶畑の村で日本のもてなしを体験。静岡「おおさわ縁側カフェ」
山と茶畑に囲まれたちいさな集落、「大沢」。この地で月2回開催されている「おおさわ縁側カフェ」は、集落にある民家が自宅の縁側を解放して、訪れたお客さんにお茶とお茶うけ(※1)を提供するという村ぐるみのイベント。今回は、そんな「おおさわ縁側カフェ」の魅力をご紹介します!
参考記事:日本のことば事典 「縁側」
※1…お茶うけ:お茶と一緒に提供されるお菓子や食べ物のこと。
茶畑の村で始まった、「お茶を知ってもらう」ためのイベント

「おおさわ縁側カフェ」が開催されているのは、静岡県にある大沢村。周囲を霧深い山と茶畑に囲まれた戸数23の小さな集落です。「大沢でつくったお茶をもっと多くの人に知ってもらいたい」という村人たちの想いから、この企画がスタートしました。
カフェが開催されるのは毎月第2・第4日曜日。この日は村中の民家が自宅の縁側を開放し、お客さんにお茶とお茶うけをふるまいます。中には建てられてから200年も経つ古い民家もあり、和の雰囲気を感じながら田舎料理を楽しんだり、お家の人との会話を楽しんだりすることができます。
各家庭オリジナルの料理と手づくりのお茶が目玉!

カフェで出されるメニューは、各家庭オリジナルのお茶とお茶うけ。お茶うけというと日本では、甘い和風のお菓子が一般的ですが、縁側カフェではちょっと違います。味噌こんにゃく、里芋の煮物、お漬け物など、日本の家庭料理がたくさん提供されるのです。しかも、季節ごとにメニューが変わるというのだから驚きです。
もちろんお茶だって普通とは違います。大沢村のある静岡県は、日本でも有名なお茶の産地です。また大沢村ではそれぞれの家庭が茶畑を持っているので、カフェで提供されるお茶は各家庭のお手製。それぞれの家ごとに違った味のお茶が楽しめちゃうんです。
これだけ飲んで食べて値段は1軒1人300円。こんなにお得でいいんでしょうか。
縁側でつながる、人間同士の「縁」

普通のカフェでは、訪問客はグループごとに会話をするだけですよね。でも縁側カフェは違います。もてなす側のお家の人とお客さん、お客さんと別のグループのお客さんの間でも交流が生まれるんです。
村のお年寄りのなかには訪問客との会話を楽しみにしている人もいて、座ってお茶を飲んでいると「どこから来たの?」なんて自然に会話がはじまります。お客さん同士でも、お家の人を通じてコミュニケーションが生まれます。
また何軒もカフェを訪れることで、同じお客さんとくり返し顔を合わせるようになり、気づけば仲良くなっているなんてこともあります。
縁側の「縁」とは、日本語で「人と人との関わり、つながり」を意味します。まさに縁側がお客同士の「縁」を取り持っているのですね。
同じ静岡県内から来ている人が多めですが、最近では全国各地からの訪問客も増えてきているそうです。
アクセスは、JR静岡駅前から車かバスが便利

縁側カフェの開催日は、毎月第2・第4日曜日。開催時間は10時〜15時ですが、11月〜3月の間は10月〜14時までに時間が短縮されるので注意が必要です。
大沢村があるのは静岡駅から車で1時間ほどの場所。自分の車、もしくはレンタカーでいくのが便利ですが、静岡駅前からバスで行くこともできます。
のり場は静岡駅北口を出てすぐの「9番のりば」。ここから安倍線の「横沢行き」に乗って一本で「大沢入口」までたどり着くことができます。開催日は日曜日なので7:42か11:26の2便しかありませんが、バスの乗車時間がおよそ1時間20分、最寄りの停留所である「大沢入口」から大沢村まで道なりに歩いて20分ほどなので、順調にいけば9時半には到着できるでしょう。

カフェの開始時間には30分早く到着します。ただ、村をぐるりと散歩して、美しい景色を眺めているとあっという間に時間が経ってしまうので、心配しないでくださいね
帰宅の便は13:15か17:28の2便がありますが、13:15の便に乗るためには12:50、17:28の便に乗るためには17:00頃に村を出ると良いでしょう。
大沢村には飲食店などはないので、縁側カフェが終了すると食事をしたり休憩をする場所なくなってしまいます。そのため、バスで帰宅する場合、13:15の便の利用をおすすめします。
レンタカーを借りる場合は、静岡駅を出て徒歩2〜3分ほどのところに、
・JR駅レンタカー 静岡駅営業所
・トヨタレンタリース静岡新幹線口店
・オリックスレンタカー静岡駅前店
などがありますのでご利用を検討してみてくださいね。
(参考)
・静岡駅バスのりば
・行きの時刻表(日曜)
・帰りの時刻表(日曜)
おおさわ縁側カフェには、日本の「ふるさと」がありました

日本の農村文化に触れたいと思っても、知り合いがいなければなかなか実現することはできません。でも「おおさわ縁側カフェ」なら「大沢村」というひとつの村の、人・文化・食を心ゆくまで体験することができます。
静岡駅からちょっと足を伸ばして、おいしい田舎料理とやさしい人々の待つ、日本の「ふるさと」に遊びに行ってみてはいかがでしょうか?
Information
おおさわ縁側カフェ
住所 :〒421-2227 静岡県静岡市葵区大沢
開催日 :毎月第2・第4日曜日
開催時間:10:00〜15:00(4〜10月)、10:00〜14:00(11〜3月)
言語対応レベル:非対応
最寄り駅:静岡駅
アクセス:
(車)静岡駅前27号線を北へ走り、途中189号へ入り、【大沢入口】バス停を右へ。静岡駅から約30km。
(バス)しずてつジャストライン安倍線/「横沢」行きに乗り、【大沢入口】下車。徒歩20分。
料金 :1軒訪問につき1人300円(お茶はセルフサービス)
電話番号:054-292-2656(内野昌樹)
公式HP :おおさわ縁側カフェ公式サイト