花粉症でのつらい症状は、一番多いのが鼻炎系の症状ですが、目のかゆみ・充血などに苦しんでいる方も多数いらっしゃいます。
点眼液(目薬)と、ミスのない差し方についての情報をお届けします。
目の花粉症の症状
花粉症は、スギなどの花粉によっておこるアレルギーの総称です。
主に、花粉が体の粘膜に付着することによっておこる症状で、まず鼻にくることが多いのですが、次いで目の症状を感じる方も多いです。
花粉が目に入って「かゆみ」「充血」「目ヤニ」などの症状を起こします。
「アレルギー性結膜炎」と呼ばれることもあります。
目の花粉症の対策
屋内に花粉を持ち込まないようにしましょう
反応する花粉の季節は窓をあまり開けないようにする、部屋に入る前に、服、髪などについた花粉を払う、などが重要です。
この対策はは鼻炎症状が起こる人にも共通します。
ゴーグル、メガネなどを着用すること
花粉が目に入るのは主に「上から」と言われています。
メガネの上部にカバーを装備した花粉症用メガネがありますので、必要に応じて利用していきましょう。
コンタクトをしている方は、花粉症の時期はメガネに変えるか、あるいは伊達メガネも有効ですのでご検討なさってください。
マスク着用でメガネが曇る方は、鼻の部分にパッドの入ったマスクを使ったり、専用の眼鏡の曇り止めジェルを使うと随分違ってきます。
点眼薬、抗アレルギー薬を早めに使用する
アレルギー症状が出る前から、点眼薬や、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)などを使い始めるのも良策です。
花粉アレルギーが強く出てから対応するより効果的です。
症状が強く出た場合
どうしてもかゆみが我慢できないときでも、強くこするのは避けましょう。
こすると症状が悪化します。
冷却材などで目を冷やすのも一法です。
メインになるのは、やはり点眼薬(目薬)です。
ステロイド・抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬などが配合された点眼薬を使用してください。
ステロイドはなんとなく怖い、という方もいらっしゃいますが、用法を守れば決して危険なお薬ではありません。
内服でなく、外用(点眼)ならさらに危険性は低くなりますので、積極的に使っていいかと思います。
点眼薬を使う場合、前年のものを使用するのは控えた方がいいでしょう。
使用期限が切れていたり、雑菌に汚染されたりしている可能性があります。
シーズン中でも目薬は直接まぶたやまつげにふれないよう使用してください。
内服の抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬は花粉症全般に効きますので、目にも効きます。
症状が出る前から服用するのが悪化を避ける一つの方法ですが、症状が強く出てからでも十分効果がありますので、他の対策と合わせて使っていきましょう。
ドライアイとの違い
目の花粉症の症状は「かゆみ」中心ですが、ドライアイは「目が乾く」「目が疲れる」「物がかすんで見える」などの症状が出ます。
花粉症とドライアイを併発している場合もあります。
花粉症用の目薬を使っても症状が治まらない場合は、ドライアイも疑ってみましょう。
点眼薬の選び方
目薬の種類
目薬の種類には「抗アレルギー薬」「抗ヒスタミン薬」「ステロイド薬」があります。
ステロイド薬は症状の重い方に有効ですが、市販はされていませんので、眼科等で処方してもらうことになります。
花粉によって、アレルギー症状のもととなるヒスタミンが出る前に、ヒスタミンの発生そのものを抑える薬を「抗アレルギー薬」といいます。アレルギー症状が出る前に使い始めると効果が高くなります。
発生してしまったヒスタミンが症状を起こすのを軽減するのが「抗ヒスタミン薬」です。
即効性があり、強いかゆみに効果があります。
ただし、持続時間はあまり長くありません。
市販の点眼薬
「抗アレルギー成分」配合の目薬、「抗ヒスタミン成分」配合の目薬、両方入った目薬があります。
参考までにいくつか挙げてみたいと思います。
ロート製薬 アルガード プレテクト
- 価格:1,296円
- 内容量:7ml
- 主成分:トラニラスト(抗アレルギー成分)
- ソフトコンタクト対応:不可
*本格的な症状が出る前に使うと効果的。
ロート製薬 アルガード クリアマイルドZ
- 価格:1,282円
- 内容量:13ml
- 主成分:クロモリグ酸ナトリウム(抗アレルギー成分)クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン成分)
- ソフトコンタクト対応:不可
*抗アレルギー成分と、抗ヒスタミン成分の入った目薬。
強いかゆみを感じている人にも評価が高い。
爽快感が欲しい方には主成分が同じ「ロートアルガードクリアブロックZ」がある。
ロート製薬 アルガード コンタクト
- 価格:553円
- 内容量:13ml
- 主成分:クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン成分)
- ソフトコンタクト対応:可
*クロルフェニラミンマレイン酸塩が、ヒスタミンをブロックして症状を鎮める。
数少ない「ソフトコンタクトレンズ着用時使用可」の点眼薬です。
大塚製薬 アイリスAGガード
- 価格:1,010円
- 内容量:10ml
- 主成分:ケトチフェンフマル酸塩(抗アレルギー・抗ヒスタミン成分)
- ソフトコンタクト対応:不可
*清涼感のある差し心地です。
抗アレルギー点眼液としては定評があります。
ノバルティス ザジテンAL点眼薬
- 価格:1,349円
- 内容量:10ml
- 主成分:ケトチフェンフマル酸塩(抗アレルギー・抗ヒスタミン成分)
- ソフトコンタクト対応:不可
*抗アレルギー、抗ヒスタミン作用を持ちます。
キョーリンリメディオ セルメディカAL PB
- 価格:300円
- 内容量:15ml
- 主成分:クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン成分)
- ソフトコンタクト対応:不可
*抗ヒスタミン成分であるクロルフェニラミンマレイン酸塩配合。
300円で購入できる。
点眼薬の差し方と注意点
点眼薬の差し方
雑菌による汚染を防ぐため、必ず手洗いをしましょう
目薬を差す
- 方法1:目薬を持った反対の手で、下まぶたを下に引っ張り、目薬を差す
- 方法2:上を向き、握りこぶしを目の下に当てて、反対側の手でこぶしを台にして点眼
- 方法3:目を大きく開いて、トイレットペーパーの芯を当てて、真上を向いて点眼
※目薬を差した後、パチパチと瞬きをすると、薬液が流れ出てしまうため、1分ほど軽く目頭を押さえて目を閉じておく。
点眼・点眼液の扱いの注意点
目薬はたくさんの量を使っても効果が上がるわけではありません。
1滴で十分です。
まぶたに溜めておける量は少ないので、たくさん目薬を差しても意味がありません。
複数の目薬を差す必要がある場合、最も重要(効かせたいもの)を最後に差してください。
先に差した目薬は、後に入れた目薬で洗い流されてしまうためです。
また、1つ目と2つ目の点眼は3~5分以上あけてください。
直射日光に当たらないところに保管してください。
高温になる場所も避け、冷暗所に保管。冷蔵庫でもいいですが、凍らないよう気を付けてください。
開封後は使用期限によらず、3ヶ月以内に使い切る、あるいは処分してください。
また、目薬の容器の先端に指やまつげが触れないよう注意してください。
目薬に濁りが見られたら、汚染された証拠なので、もったいなくても即座に処分してください。
点眼補助グッズ
「アカンベー」という「目薬が上手に差せる」グッズがあります。
まず、目薬の先端とアカンベーの先端を同じ高さにして、アカンベーをはりつけます。
次にアカンベーの先端を目の下8㎜くらいのところに当て、下まぶたを引き下げながら顔をあげます。
そして容器を押して点眼します。
使い方はそれだけで、扱いやすい商品として評判になっているようです。
他にも、「らくらく点眼Ⅲ」というものもありますが、「アカンベー」ともども医療用の丸い容器の点眼薬にしか対応しておらず、平たいタイプの市販薬には使えないとのこと。
しかし、「アカンベー」では、ゼロテープで貼り付けることにより、平たいタイプのものでもつかえるようです。
まとめ
花粉による目の症状に対応するには点眼薬が中心となります。
次に花粉の暴露を防ぐこと(屋内に花粉を持ち込まない・メガネをかける、など)が重要です。
それでも症状が軽減されない場合は、他の対処と併せて「抗アレルギー薬」「抗ヒスタミン薬」の内服を試みることになると思います。
万全の対策を持って当たってくださいね。