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踊る「株高」1万6000円も見えてきた「値上がり」銘柄を次々当てるオジさんも登場!

「相場は来た道をたどる」との投資の格言をなぞるように、バブル期のような熱狂相場が復活するとの話が語られ始めた。にわかには信じがたい。ただ、裏付けるような現象が市場で起きていた。

ストップ高を連続して的中

 ネット掲示板へのある書き込みが、マーケット関係者の注目を集めている。

 書き込みの主は『ミハイル・ジョウダン』なる人物。年齢112歳を自称する謎の老人だが、氏が掲示板で推奨する銘柄が暴騰に次ぐ暴騰を演じている。

 たとえば介護・医療分野の情報サービス業などを展開するエス・エム・エス。一般投資家には馴染みのない銘柄だけに年初から7万円台で安定していたが、3月に入るとなぜか急伸して倍近くの13万8000円台をつけた。ミハイル氏は同社について株価が上げ始める直前から、「利益成長性も極めて堅実な高収益企業」と誉めあげると同時に「大注目の時期に入っておるわい」などと書き込んでいた。

 医療関連のネット事業などを行う日本メディカルネットコミュニケーションズも200~300円台を動く目立たない銘柄だったのが、3月に入るとグングン上げ始め、あっという間に5倍以上の1700円(3月23日)まで爆騰。ミハイル氏は同銘柄がまだ400円台だった3月頭に「1000円なんぞは軽々と突破していくわい」とズバリ指摘していた。

 ほかにもミハイル氏が書き込む銘柄が続々とストップ高となっているため、ネット上は「7連発だ」「ミハイル銘柄が狂い上げだ」などと空前の盛り上がりを見せている。市場関係者の間からは「新種の仕手筋か」との声も上がるが、こうした暴騰劇が起こるのは株式市場が活況を呈していることの裏返しに違いない。

 かつて株価が右肩上がりのバブル期に数々の仕手戦が繰り広げられたように、些細な噂でも株価が大きく上がる「日本株バブルの再来」が見えてきたといえる。

 事実、8000円台で停滞を続けていたのがウソのように、いまや1万円台が当たり前。日経平均株価は年初からたった4ヵ月で2割も急伸、ついに東日本大震災後の最高値を更新(3月27日)したが、その勢いは止まる気配がない。

 いちよし投資顧問運用部長の秋野充成氏は「これからが本格相場だ」と語る。

「いまは昨年までリスクオフ(リスクを避ける)だった海外投資家が、今年に入って欧州危機が一段落したことでリスクオン(リスクを取る)に変わり、世界中に余りに余っていたマネーが徐々に先進国株などのリスク商品に染み出している段階。まずマネーは米国株に向かってニューヨーク市場では2000年のITバブル以来の高値をつけたが(3月13日)、日本株はそれにくらべて出遅れている。

 今後は先行して上がっていた米国からほかの市場に大量のマネーが流れていき、その受け皿の最右翼が日本となる。少なくとも6月までは株高が続き、日経平均1万2000円へ。その後は不透明だが、リスク要因がなにも起きなければ1万5000円もありえるでしょう」

 マネーパートナーズのアナリストである藤本誠之氏は「年内に1万6000円もありえる」

と言う。

「現在までの株高は海外投資家が空売りしていた分を買い戻したことによるもので、これからはそうした海外投資家が本格的に買いを始める。さらに今後、海外投資家の動きを見た個人投資家が追うように動き出す。

 特に日本の個人投資家はこれまで外貨建ての投資信託などで多くの損を出しており、彼らが投信を手仕舞って株に流れ込む可能性が高い。そうして世界中であふれたマネーが『買いが買いを呼ぶ』好循環に入れば、年内に1万6000円までいってもおかしくない」

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