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S高連発のジョウダン銘柄から 小型株投資の料理法を学べ!

2012年10月12日 17時40分 (2012年10月19日 17時41分 更新)

日経平均の週足チャート(1年)。緑が13週、赤が26週、青が52週の移動平均線(出所:株マップ)

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 日経平均は9月19日の9288.53円を天井にして調整を続けています。9月26日に9000円大台割り込んで以来、10月5日まで8営業日連続で終値はもちろん、ザラ場でも9000円を回復することはありませんでした。

 一方、米国株は堅調です。5日のNYダウの終値は13610.15ドルと、2007年12月10日以来、約4年10カ月ぶりの高値で取引を終えました。

円高、デフレ、中国問題などが投資マインドを悪化させる

 この米株に比較して、日本株の情けない値動きの最大の理由は「円高」と「デフレ」です。「円高」と「デフレ」が改善しない理由は、世界景気低迷リスクが高まる中、政府・日銀が円高を是正するという使命に対して、全く結果が出せていないからです。

 また、尖閣諸島国有化を契機に日中関係が悪化し、これが中国での日本製品不買運動や、中国人の日本への渡航キャンセルを誘因し続けています。この日本独自の要因の影響が今でも続き、長期化懸念が強まっていることが挙げられます。

 市場では特に、自動車、工作機械、建機、海運セクターを中心にした景気敏感セクターへの影響が心配されています。今後、これら景気敏感セクターを中心に、業績を下方修正する企業や予想を引き下げるアナリストが続出する可能性が高く、それが投資マインドを悪化させることでしょう。

日中の新リーダー決定まで関係改善はなし

 まず政策面ですが、日銀は10月30日の政策決定会合で、追加の金融緩和に踏み切らざるを得ないとみています。

 なぜなら、その会合でまとめる「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、14年度の消費者物価指数(CPI)上昇率が1%に届かないことを認める可能性が高いのです。

 それにしてもコイツラ、「頑張っている。」「一生懸命やっている。」と口を尖らせて反論はしますが、いつまでたっても、CPI上昇率1%を実現できません。困ったものです。マジで、「○なし」ですね・・・。というか、個人的にはCPI上昇率は安定的に3%を目指して欲しいですね。まあ、1%すらできないのですから、その3倍を期待すること自体、無理がありますが・・・。

 次に日中関係ですが、これは両国のリーダーが変わるまで改善できないでしょう。

 5年に1度開催の中国の共産党大会の日程は11月8日に確定しました。ここで、習近平国家副主席が次期トップに就く見通しです。一方、日本では、野田首相が「近いうち」の衆院解散・総選挙を表明したものの、一体いつそれが行われるのか、現時点では不明です。

 とにかく、日本の次期リーダーが確定するまでは日中関係の改善は無理だと思います。

いまは「内需の小型株」に注目すべき

 テクニカル的に、日経平均の26週移動平均線(5日現在、8919.04円)は12週連続で下落しました。

 13週移動平均線(同、8873.45円)は2週連続で下落です。5日時点において、日経平均は26週移動平均線も13週移動平均線も、共に下回っています。このため、少なくとも、13週移動平均線を上回るまでは、目先の底値を模索する展開がメインシナリオです。

 ただし、今週は7月13日の週の8724.12円を上回れば、13週移動平均線は3週ぶりに上昇に転じる見通しでもあり、13週移動平均線が上向くためのハードルは当分低い状態が続くため、急落リスクは低いとみています。

 このように主力株の先高観が持ち難い状況で成り上がりたいあなたは、内需の小型株に注目するべきです。

 実際に足元では、短期資金は内需の小型株に流入している様子が窺えます。5日の日経ジャスダック平均株価は続伸し、7月20日以来、約2カ月半ぶりの高値水準で、東証マザーズ指数も3日続伸し、7月20日以来の高値水準でしたから。

「爺トレ」から学ぶ小型株の投資法

 新興市場といえば再び、ミハイル・ジョウダン氏の関与する銘柄が賑わっています。ヤフー掲示板で彼が話題にする銘柄が急動意し、S高を連発させたことから、特に今年の春先に注目を集めたことは記憶に新しいところです。

 なお、春先に比べるとジョウダン氏の投稿があっても反発しなくなり、完全にジョウダンバブル崩壊だとの指摘もあることも事実です。これはジョウダン氏の名前を有名にした、彼一押しのピーエスシー(3649)をはじめ、同時期に彼が推した銘柄群がほぼ同時期に暴落したためです。

 なお、巨大掲示板2ちゃんねるでは、彼は、「なぞの爺さん」と呼ばれ、「爺トレ」という言葉も誕生させました。これは、企業業績や財務といったファンダメンタルズ分析やテクニカル分析は一切行わず、ヤフー掲示板で展開されるミハイル・ジョウダン爺さんの書き込みにのみを注視してトレーディングを行う手法のことです。

 冗談ではなく、今でも彼のヤフー掲示板への書き込みに呼応した売買注文は明らかに入っており、一部デイトレーダー達の格好の売買材料になっていることは確かです。

 一応、ヤフー掲示板で、私が目視で確認した関与銘柄は以下の通りです。

◎エムアップ(3661)
12年3月14日、東証マザーズに新規上場。レコード会社が母体の携帯向けコンテンツ配信ベンチャー。芸能人のWeb運営、物販も展開。同社は有料会員数の増加とそれによる収益基盤の拡大を図るべく、引き続き新規アーティスト等の獲得とファンクラブサイトの開設に注力している。

◎夢の街創造委員会(2484)
11年8月期から取り組み始めた3カ年中期経営計画に則り、地域、会員、加盟店の観点からオーダー数の拡大に注力した結果、オーダー数、加盟店舗数、会員数は増加している。また、中国において子会社を設立し、現地での営業を開始している。

◎オウケイウェイブ(3808)
FAQシステム、日本最大級のQ&Aサイトを運営。日常の疑問や問題を解決へ導く<ソーシャルメディア>や企業と顧客の信頼関係をより強固なものにする<ソーシャルCRM>、知識や経験の共有が売買につながる<ソーシャルコマース>を3本軸としている。また、データベースの整理に注力し、同社が運営するソーシャルサイトが蓄積しているビッグデータ(2700万件以上のQ&A情報)を分析、編集できるよう体制を整えている。

◎アイレップ(2132)
親会社であるデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(4281)とも協力して事業を推進する体制にあり、これらにより、SEM領域における事業シナジーの強化やスケールメリットの追求ならびに更なる経営効率化を行い、グループの経営一体化及びネット広告市場における競争力を強化している。

◎ピーエスシー(3649)
医療システムソリューション(電子カルテ、画像ファイリングシステム、など)に特化したソフトウェア開発企業。同社が市場とする医療業界では、政府の医療構造改革の推進等により、医療機関にさらなる医療行為の高水準化と経営の効率化が要求されるとともに、「個人と医療機関」「地域の各医療機関」「各地域連携医療圏」を繋ぐ地域連携医療に対する医療機関の機能強化及び在宅医療の充実に向け、IT化の動きは恒常的な拡大傾向を一層顕著に示している。

◎エイチアンドエフ(6163)
日立造船(7004)企業グループに属し、プレス機械、FAシステム製品の製造・販売及びこれらの製品の修理・改造・点検・移設等のアフターサービス工事を主な事業としている。同社グループの主要顧客である自動車業界においては、東日本大震災やタイの洪水の影響からの回復基調が続いており、新興国を中心として設備投資は堅調に推移している。

 他にもあるでしょうが、とりあえず、こんなところです。特に、ここ最近元気だったのは、エムアップとアイレップですね。

 成り上がりたいあなたは是非、これらのチャートを眺めて、これまでの株価動向を確認してください。昇り龍のような上昇と、ナイアガラにような急落が混在する、極めて高いボラが発生していることが確認できますよね?

 また、決して「爺トレ」だけに頼らず、このような小型株をどのようにテクニカルで料理するかを研究するべきです。

 そして、ハイボラの小型株投資を制することが、現状のクソ相場で成り上がるための第一歩になることでしょう(笑)。くれぐれも、現状のような相場では、大型株投資に固執し評価損を抱え、苦しまないようすることが重要なのです。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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