17年農地 23年連続 価格下落 先行き不安で需要減

 全国農業会議所は2017年の10アール当たりの農地価格をまとめた。農村地域の全国平均は、田が前年比1・2%減の120万7000円、畑が1・1%減の89万1000円。田畑ともに23年連続で前年を下回り、下落に歯止めがかからない。農業への先行き不安や高齢化などで、農地の需要が落ち込んでいることが影響した形だ。

 調査は1956年に開始。全国の農業委員会を対象に、50年当時の市町村区域を単位として、収量や条件が平均的な農地の価格やその変動理由について聞き取り、農村地域と都市地域に分けて農地価格を公表している。

 田は94年(200万2000円)をピークに下がり続けており、4割減少。畑も94年(137万8000円)のピークから35%下落した。

 地域別に下落率を見ると、田は東北(1・9%減)、畑は沖縄県(2%減)が最大だった。

 価格下落の理由を尋ねたところ、農業への先行き不安や賃借の増加などによる「農地の買い手の減少」という回答が田で32%、畑で44%に上り、いずれも最大となった。

 都市地域の農地価格は、田が前年比1・3%減の336万4000円、畑は1・1%減の322万2000円。田畑いずれも25年連続の下落となった。同会議所は、農地の買い手の減少や買い控えが要因とみる。田畑ともに92年がピークで、田は同年の1121万3000円から7割減少。畑も92年の1122万1000円を7割下回った。

 価格の下落率を地域別で見ると、田畑ともに四国(ともに2・6%減)が最大だった。

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