大谷翔平の「信じられない」メジャーデビュー ベーブ・ルースと比較され

坪井遥、BBCニュース、東京

Feb 13, 2018; Tempe, AZ, USA; Los Angeles Angels pitcher Shohei Ohtani plays catch during a workout at Tempe Diablo Stadium. Mandatory Credit: Matt Kartozian-USA TODAY Sports Image copyright Reuters

大谷翔平選手は、日本から世界の舞台に踊り出た若手アスリートでも特に有望な1人だ。彼を取り巻く期待と熱狂の高まりは、もう何年も前から始まっていた。米大リーグ・デビューをこのほど果たした大谷は、周囲の期待をはるかに上回る「信じられない」活躍ぶりだ。

ロサンゼルス・エンゼルスに移籍する前から、大谷は、「100年に1人出るかどうかの選手」と呼ばれ、「現代のベーブ・ルース」と称えられてきた。

8日の試合以降、米メディアから出てくるヘッドラインを見ると、大谷のデビューがどれほど「信じられない」、「頭がおかしくなる」ほどの偉業か分かる。「ショウヘイ・オオタニは明らかにこの惑星の人間ではない」と書く記者もいる

米ESPNのティム・コウン記者は、「日本から23歳がやってきて、最初の13回で奪18三振、4被安打、2勝を挙げた。さらに3試合連続で本塁打を放った。ツイッターではどこかの男が咳払いをして7世代分のたんを口に集める……」と書いた。

では、大谷は実際にどれほどのことを成し遂げたのか。ベーブ・ルースの最初の2週間よりもすごい活躍なのは確かだ。

  • 最初の10試合で自分のチームに2勝と3本塁打をもたらした史上3人目の選手になった
  • 2試合目には12奪三振を記録した。デビュー2試合での成績として、アメリカン・リーグの記録に並んだ
  • 連続する3試合で3本塁打、2ケタ三振の両方を同一シーズンで達成したのも史上3人目

日本の野球人口は米国についで世界2位だ。それだけに、大谷ほどの選手が日本から出たことは、決して意外ではない。大谷の家庭環境も影響している。

この若手選手の始まったばかりの野球人生を追跡してきた報道によると、大谷の父、徹さんは社会人野球選手として三菱重工横浜で活躍した。仕事から帰ると、子供たちをキャッチボールに誘うのが日常だったという。

岩手県北部の花巻東高校で、大谷は高校生投手として史上最速の時速160キロを投げている。

当初は、日本でプロ野球入りするよりも高校から直接、大リーグ入りを希望していた。しかし長い交渉の末、北海道日本ハムファイターズが、期待の新星を獲得した。

球団は交渉のなかで「夢への道しるべ」というパワーポイント資料を大谷に提示した。「エース兼4番」の二刀流育成プランだった。

大谷は日本でも数々の記録を樹立してきた。2014年には、投手として1年の間に10以上の三振を奪い、10本以上のホームランも放った最初の選手になった。その記録はいまだ破られていない。

日本では物静かと思われた大谷も、米国の土に問題なく適応したようだ。米国のスポーツ・キャスターたちが「信じられない」と目をこすっている傍らで、日本国民もまた大喜びしているのだ。

(英語記事 The 'insanely good' US debut of Japan's prodigal baseballer

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