たまには嫌韓バカの珍説も取り上げてみる。
【珍説】
(引用者註:日本の韓国併合に対して)
日本がやったことがすべていいとは毛頭思いませんが 日本が行動をおこさなかったら帝国主義植民地主義がいまだに存続していた可能性は高いです
なぜなら列強は当時すでに数百年の経営の歴史があるのですから。
旅した人
http://d.hatena.ne.jp/uedaryo/20090405/1238948859
コメント欄
(考察上の必要性に鑑み,引用権の範囲内で引用しています)
【事実】
この旅した人氏は、日露戦争頃のロシアを「ソビエト」だとか「共産国家」だとか言ってるアホウなのだが、一応やり玉にあげてみる。
「日本がやったことがすべていいとは毛頭思いませんが」まあ、こういう枕詞で免罪符をとっておこうとする人はネトウヨによくいるよね。こういう人に限って日本がやった悪いことはほとんど挙げないわけだが。
それはそれとして、このコメントは日本が韓国を併合したのは”ソ連(註:もちろん当時はロマノフ朝ロシア帝国なのだが、旅した人氏にはそれが理解できない)”が南下政策をとっていたため、防衛のためやむをえなかった。当時は欧米諸国による植民地化が進んでいた。と、まあそういう流れの中での上記珍説のご登場なわけだ。
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(旅した人による別のコメント)
当時の時代背景と朝鮮を取り巻く客観的な国際情勢が頭にないと理解が及ばないと思います
1歴史的事実としてソビエトが南下政策をとっており中国東北地方まで領土拡大 朝鮮の近くの旅順まで占領している状態。(もう東アジアは風前の灯)
2近代化していないアフリカ諸国 アジア諸国 中南米諸国の国のほとんどは有無を言わさず欧米諸国に次々占領侵略されている現実。(国とりゲームの様相))
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なんというか、基礎知識の欠如に唖然とさせられるのだが、そもそも「当時の時代背景」とは具体的にいつごろなのか、全く不明。「1」について言えば1900年代だが、これは「2」の状況と合致しない。例えば「中南米諸国の国のほとんどは(略)欧米諸国に次々占領侵略されている現実」だが、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ボリビアなどは19世紀のうちに独立を果たしており、1900年代の時点ではれっきとした独立国である。
で、本題。
日本が行動(韓国併合など)をおこさなかったら帝国主義植民地主義がいまだに存続していた可能性は高いというのは、まるっきりデタラメ。そんな可能性はほとんど皆無と言っていい。
1900年代の時点で既に、南米では植民地主義が破綻し独立国が誕生しているし、アフリカや中東でも独立運動が激しく展開されている。中国でも既に清朝打倒の動きが出ているし、フィリピンでもアメリカは独立運動の鎮圧に手を焼いている。仮に日本が明治維新時点の領土内にとどまって全く対外戦争に関わらなかったとしても、遠からず帝国主義植民地主義は破綻した可能性が高い。遅くとも1960年代・70年代に次々と独立にいたっただろう。少なくとも「いまだに存続して」いることはまずあり得ない。
「列強は当時すでに数百年の経営の歴史がある」
まあ、それを言うなら、日本にはアイヌの蝦夷地を支配した歴史、琉球を支配した歴史が数百年あるわけで、現に今も支配が続いていると言えるのだが、それをもって「植民地主義がいまだに存続」というならそれはそれで正しいかもね。
scopedog
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