据え置き型を中心にさまざまな家庭用ゲーム機が店内にそろっており、飲食しながら遊べる“ゲームバー”。ユーザーを集めて大会を開く店舗もあり、ファンが交流する場にもなっている。
ただ、ゲームを顧客に貸し出したり、ゲーム大会を使って集客したりする営業形態は、ゲーム開発元に対する著作権侵害行為に当たるケースがある。そのため、ゲーム会社やコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)はゲームバーに対し、業態の改善や営業停止をたびたび要求している。
こうした警告の結果、大阪府でゲームバーを展開するクロノス(大阪市中央区)は4月9日、府内で運営する3店舗「ゲームバー1UP」「ゲームバーカティーナ」「ゲームバーClan」を閉店すると発表した。
各店舗は公式Twitterや公式Webサイトに「ACCSから指摘を受けたため、ビルの契約期間が満了する2018年7月29日をもって閉店いたします」などの文言を掲載した。
クロノスの運営店舗はどのような問題があったのか。
ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、ACCSは「警告を行ったのは事実だが、詳細については回答できない」とした上で、一般論として「家庭用ゲーム機器やゲームソフトを店舗に備え置き、顧客に貸し出して、店舗内に設置されたモニターに映写して遊技させる形態は法律違反に該当する」(広報担当者、以下同)とコメント。
「店舗の管理のもとでゲームソフトを顧客に貸し出して上映する行為は、ゲームソフトの著作権者の許諾を得ていない場合は、著作権(上映権)の侵害行為となる」という。
この点について、クロノス運営店舗のWebサイトには、あくまで“顧客主催”としながらも、任天堂のゲームタイトル「スプラトゥーン2」などの対戦イベントを実施し、プレイ画面をモニターに投影して盛り上がっている様子が掲載されている。
「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」「ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン」などの大会も開かれていた形跡も見受けられる。
顧客がゲーム機器を店内に持ち込んでいた可能性もあるが、「持ち込みが著作権侵害となるかはケースバイケースとなるため、一般的な回答は差し控える」とした。
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