再生可能エネルギーのエースとも期待されている太陽光発電の事業者倒産が、2017年度は史上最多を記録したことが、東京商工リサーチが5日発表した調査結果から分かった。調査によると、同年度の太陽光発電関連事業者の倒産件数は82件となり、集計を開始した2000年度以降最多となった。これまでの最多だった2016年度の68件を14件(前年度比20.6%増)上回った。なぜ、事業者の倒産が増えているのか?
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調査によると、負債総額も317億2600万円と、前年度比2.1倍増となっている。前年度5件にとどまった負債5億円以上の倒産が15件と3倍に増えたことが大きな要因とされている。負債総額は2015年度の340億3400万円に次いで、過去2番目の水準である。
倒産の要因として、東京商工リサーチは、「販売不振」が最も多く、全体の半数を占め、次いで「事業上の失敗」「運転資金不足」などとしている。
こうした要因は、倒産の直接的な理由だが、その背景には、国の政策変更を見逃せない。太陽光発電は再生可能エネルギーの柱として、国が、2012年に太陽光発電電力の固定価格買取制度(FIT制度)を創設し、導入拡大を積極的に支援した。この制度は、電力会社に、太陽光発電電力などの再エネ電力を長期固定価格で買いとることを義務づけるもので、発電事業者にとっては、長期にわたって、利益が保障されるようなもの。そのため発電事業に参入する事業者が急増した。その結果、事業者の過当競争がし烈化するとともに、電力会社の買取費用は、電気料金に上乗せされる再エネ賦課金でまかなわれるため、電気料金が上昇し、国民の負担を増大させた。
そうした反省から国は、FIT制度を事実上、縮小するとともに、諸外国に比べて高コストにある発電機器や設置工事費用を是正することを求めている。それらによって、事業者の利益が圧迫され、経営が一段と苦境に陥る企業が増加している、といえる。太陽光発電事業者の倒産は、いわば“国策倒産”ともいえる状況だ。(南条 誠)
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