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Linux環境は「閉じても消えない」ように
Linux実行環境のWindows Subsystem for Linux(WSL)も今回大きく改良された。ユーザーがサインインしている間は、WSL側でバックグラウンドプロセスを継続して実行できるように内部構造を変えた。
RS3までは、WSLを実行中のウィンドウを閉じるとLinux環境全体が終了してしまう。このため常駐するサーバーのような使い方はできなかった。RS4からは、バックグラウンドで動作するプロセス、いわゆるデーモン系のソフトウエアが利用しやすくなる。
さらにWSL側からWindows側のファイルシステムへのアクセスでも、ファイルやディレクトリのアクセス制御(パーミッション)処理が可能になった。Linux環境からWindows環境のデータを扱う際の互換性が向上している。
WSL-Windows間のプロセス間通信も可能になった。具体的には、Windows側のSocket API(WinSock)で「AF_UNIX」と呼ばれるローカルアドレス空間を指定できるようになった。これは、UNIX/Linuxでは標準的なプロセス間通信の仕組みとして使われているもの。これによりWindows側とWSL側の両プログラムが連携して動作するソフトウエアの開発が可能になる。
コマンド入力環境(シェル)の面では、Windowsプログラムとして「tar」や「curl」といったLinux環境で定番のコマンドが標準搭載された。リモート管理に使うSSH(Secure Shell)の「OpenSSH」もWindowsの標準コンポーネントとして導入可能になっている。