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 今回のTimelineを実現する機能をつぶさに見ると、Sets導入の下準備となる機能が多数含まれている。

 例えばOneDriveだ。アクティビティの構成要素となる文書ファイルや各種のデータは、クラウドストレージである「OneDrive」によってどのマシンからもアクセス可能になっている必要がある。RS4に付属するOneDriveクライアント(OneDrive.exe)は、「データの保護」機能としてドキュメントフォルダーなどをOneDrive側と同期させることを推奨する。同機能を使えば、アクティビティで扱うファイルがOneDrive上に自然と集まる。

 Microsoft Officeの保存機能も同様だ。OfficeアプリでOneDrive上のファイルを編集する場合は「自動保存」が標準で、ユーザーによる「保存」の作業が不要になっている。アプリケーションでのデータの変更は直ちにクラウド側に反映され、Setsによる他のPCでの作業再開を可能にする。既にユーザーの予定や連絡先、メールはOutlook.comサービスによってクラウド側に置かれ、どのPCからでもアクセスできる。

 PC以外のデバイスも対象だ。マイクロソフトは、SetsやTimelineを、AndroidやiOSといったスマートフォンのプラットフォームで展開することを狙う。昨年のTimelineの発表時には、スマートフォンでコンテンツ視聴を継続するデモを披露した。Office Mobileを使えば、AndroidでもiOSでも、Windows 10と同じように文書や表計算の作業が可能になる。

ファイルビューア機能に磨きをかけるEdgeブラウザー

 Webブラウザーの「Edge」の機能強化もTimeline、さらにはSetsと関連付けて見ると理解しやすい。

 RS4のEdgeは、電子書籍フォーマットの「EPUB」ファイルへのしおりの追加や著作権管理されていないファイルの保存機能、文書校正機能などを追加。Web技術が基盤のEPUBファイルのビューアとしての機能を着々と強化している。

Edgeは、EPUBビューアとしても動作する。今回は校正機能として英単語の文法表示が可能になった
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 TimelineやSetsはアクティビティとして作業履歴を記録する機能が基盤だが、作業記録はアプリケーション側の対応が必要になる。純正ブラウザーのEdgeは、当然対応済み。Edgeでこなせる「仕事」が増えれば、それだけTimelineやSetsによる情報管理がしやすくなるわけだ。