三重ブームの裏で奇形や障害… ワンニャンプロジェクト、飼い主探す
動物愛護に取り組む津市の一般社団法人「ワンニャンプロジェクト」(WNP)が、過剰な繁殖などによって奇形として生まれ、殺処分されそうだった犬の保護活動に取り組んでいる。「障害があっても幸せに生きる権利があるのは人も犬も同じ」と呼び掛け、会員宅での一時預かりを重ねながら新たな飼い主探しを続けている。 鈴鹿市御薗町の主婦太田みどりさん(42)宅のリビングでは、WNPを通じて譲渡されたり、一時預かったりしている生後四カ月~五歳の四匹のチワワが動き回っていた。脳脊髄液が頭の中にたまる水頭症を患ったり、下あごが短かったりしている。WNPによると、これらの犬はペットショップには並ばずに殺処分されることが多かった。 以前から飼っているチワワ一匹を含め、中学生の圭さん(14)と陽菜さん(12)とともに世話をしている。太田さんは「水頭症の犬は頭に強い衝撃が加わると命に関わるので神経を使う」。WNPの活動を知った二年半ほど前から犬の一時預かりに参加し、奇形の犬以外も含めて約五十匹を数日~一年ほど、新たな飼い主が見つかるまで面倒を見てきた。所構わずおしっこするなどの行動から犬の気持ちを考えることで、家族の話題作りにもつなげている。 WNPは八年前に発足し、飼い主に捨てられるなどして殺処分されそうな犬や猫の保護と飼い主探しに取り組む。生まれつき障害がある犬は、業者による近親交配といった無計画な繁殖などで生まれる。WNPでは近年、別のボランティア団体を通じてこのような犬の保護も始め、数十匹の命を救ってきた。中川りえこ代表(44)は「奇形犬の問題はペットブームと表裏一体。人間同様、動物にも幸せに生きる権利がある」と話し、「不幸な命」を減らす取り組みに理解を求める。 (山本克也) 今、あなたにオススメ Recommended by
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