本日4月8日に閉店してしまう「ゲームズマーヤ」。電ファミニコゲーマーでは、そんな「ゲームズマーヤ」最後の1日を最後まで見守る生放送を実施中だ。
本稿では、店内での出来事をリアルタイムで発信していく。スケジュールとしては、14:00からは元任天堂社員でゲームクリエイターが夜な夜な集う会員制食堂「84」店長の橋本徹氏と秋谷店長によるゲームグッズオークション、17:00からはよゐこ・有野晋哉さんを司会に迎え、カプコンの辻本良三氏、セガゲームスの名越稔洋氏、レベルファイブの日野晃博氏、そして秋谷店長による座談会を実施する予定だ。
また、飛び入りゲストが訪れる連絡も受けているほか、事前に受け取った各クリエイターからのメッセージも、番組と合わせてこちらでも紹介していく。
高橋名人からのメッセージ
月曜日に最後のご挨拶に行かせて頂きましたが、それからアッと言う間に8日を迎えてしまいました。
私が閉店すると聞いたのが、2週間ほど前でしたが、その時は非常に驚きました。
ゲーム業界において、まさにご意見番だったであろう、店長さんの意見は、メーカーの人間からすると、日頃ユーザーさんとのふれあいを直接されているからこその意見として、毎回毎回、身に染みていました。
今後は、寂しくなりますけども、まずはお身体をしっかりと治して頂き、いつまでも、素晴らしい笑顔を見せて頂ければと思います。
本当に長い間お疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。
高橋名人
小島秀夫監督からのメッセージ
ゲームズマーヤ、秋谷店長さんへ
“マーヤさん”が閉店するという話を、SNS経由で聞き、正直、びっくりしました。
最初は耳を疑いました。フェイク・ニュースであればいいとさえ思いました。
しかし、その後、調べてみて、やはり僕らがお世話になった、あの“ゲームズマーヤさん”だという現実を、残念ながら知りました。
物事には、すべて始まりと終わりがあります。終わりがあるからこそ、次の始まりがあります。
でも、世の中には終わってはいけないもの、途切れてはいけないものもあるのです。
僕にとって、そのひとつが“ゲームズマーヤさん”なのです。
SNSとネットに依存したせいで、人々が世界から、親や兄弟、友達、教師や同僚、地域社会からも孤立してしまった、今の日本では、特にそう思います。
ゲームズマーヤさんは、ゲームを販売するだけのビジネスのお店ではありません。近所の子供達やゲーマー達が集まる空間を提供し、そこに集まった仲間たちを啓蒙し、育て、夢を与えつつも、社会の規範を教え、また家や社会に送り返す。
本来なら、学校や職場、家や地域社会が務めるべきこれらの役割を、“マーヤさん“が果たしてきたのです。
多くの子どもたちを結びつけ、応援し、尚且つ、彼らの個性や独創性を引き出すという、今の社会が失ってきたものを、ゲームを介して、大切に育ててくれていたのです。
ゲームへの愛、そのゲームを愛するユーザーへの愛、それらの愛を育むコミューンへの愛、そして寛容と配慮。
それがゲームズマーヤさんでした。こんなことをされてきたお店は、“マーヤさん“以外、世界中のどこにもありません。
秋谷さんはゲームを売っていたのではありません。
ゲームを創る僕らと共に、まだよちよち歩きだったゲームを育ててくれたのです。
その尊敬と感謝の念で、いっぱいです。
20年前、「MGS1」の時に、初めてマーヤさんの店内でトークショーを行った記憶が、今も昨日のことのように蘇ります。
それからは、新作が出るたびにマーヤさんにはお世話になりました。
お客さんでもあり、コミュニティの仲間でもある子供達が手作りしてくれたディスプレイに、毎回、感涙させていただきました。
本当に楽しい思い出ばかりです。
正直、ゲームズマーヤさんの閉店は、悲しいです。
でも、“マーヤさん”が蒔いて、愛を込めて育ててくれたゲームの種は、マーヤさんから巣立った子供達が、この後、世界中に届けてくれるはずだと確信しています。
それらがまた新しい土地に、新しい花を咲かせてくれるでしょう。
その花が、“マーヤさん“です。
本当にありがとうございました、お疲れ様でした。
ゲームズマーヤさんでの貴重な思い出は、一生忘れられません。
秋谷さん、お身体を大切に。
小島秀夫