3月は、太陽の黒点がゼロの日が3週間以上続いたことが、欧米の研究機関の観測で明らかになった。宇宙天気情報センター(SWC)によると、月間平均値がここまで下がったのは9年ぶりで、「太陽活動が極小期に移行」していることの現れだ。
太陽は27日間隔で同じ面を地球に向けており、米航空宇宙局(NASA)や、日本の情報通信研究機構(NICT)をはじめとする研究機関は、27日周期で太陽活動をとらえ、地球に影響を及ぼす宇宙の天気を予測している。
そのうちのひとつ、太陽黒点と黒点群の数を計測しているベルギー王立天文台の「SILSO世界データセンター(WDC-SILSO)」によると、3月の黒点と黒点群(相対数)の平均値は2.5と一桁台に下がった。黒点相対数は、昨年11月に5.7まで下がった後、12月から2月にかけて6.7〜10.6と持ち直したが、一気にゼロに近づいた。2009年8月に、無黒点状態が1カ月続いて以来、9年ぶりだという。
黒点は、温度が周囲より低く、光が弱いため暗く見え、約11年サイクルで増減を繰り返している。太陽の自転にともなって東から西へ移動していくことから、動きを観察することが重要だが、太陽観測衛星の画像では、表面に変化がないピンポン玉のような写真が続くばかり。
※太陽の黒点活動が活発だった2015年1月1日の観測動画(NASA SDO)との比較
SILSO世界データセンターによると、3月は黒点ゼロの日が25日間だった。30日から31日にかけては久しぶりに黒点が出現したが、4月に入ってからは再びゼロが続いている。
NASAによると、2008年12月に始まった現在の太陽周期は、第24周期(サイクル24)の終盤に近づいており、来年には極小期を迎えると予測されている。黒点消失が続くのは、その前兆現象だという。