問題は、こうした動画や映画に共感を示し、実際に結婚につなげる男女がどれくらいいるかであろう。
あてずっぼうで申し訳ないが、現代日本の若者で、今回の結婚動画のメッセージに共感を示すのは、自民党より右側に位置する保守を支持する人の割合とほぼ同じと考えてよいのではないか。
仮にその割合を10~15%程度と見込み、彼ら/彼女らが順調に結婚するならば、子育て支援や経済的支援以上に、出生率を高める効果を持つ可能性がある。
ただし真の問題は、今回の結婚動画に共感するような「愛国」的な男女が、パートナーとしてうまく巡り会い、結婚に結びつくかどうかである。
通常、若者たちの日常会話で愛国的話題が表にでることは稀である。
だから愛国的な男女は、告白やプロポーズをするときに、相手が2020年東京五輪というイベントを理由に結婚に応じてくれる人かどうかを、慎重に値踏みしなければならない。
つまり、結婚したい相手が、「2020年に東京五輪があるから、結婚しよう」というプロポーズに共感し、受け入れてくれる人なのかどうかが、きわめて重要なのである。
せっかく結婚動画を作るのなら、東京都には、やはりこの程度のことまでは配慮してもらいたいところだ。
いっそ、この動画に共感する人限定の婚活イベントを企画運営したらどうだろうか。
その効果の程は、一種の社会実験としては興味深い。