Amebaニュース

「原発への賛否」で子どもと保護者を分類 多様な意見を認めない日教組の教師

2月24日(水) 4:05

 年に一度、日教組の教員たちが全国から集まり“教育実践”を発表する教育研究全国集会(教研集会)。今年は2月5日から3日間にわたり、25の分科会・およそ690の報告が行われた。また、開催地が岩手県と東日本大震災の被災地だったため、原発に関する報告が多くあった。実は、日教組トップの加藤良輔委員長も、あいさつの中で、

「“フクシマ”を繰り返してはならないという思いも、再稼働の流れの中で踏みにじられようとしています」

 そう述べたうえで、岩手で開催する意義について、

「“原発に頼る社会のありようを変えよう”という誓いを、私たちは決して忘れないというメッセージだと思っています」

 と、語っていた。主催者あいさつで〈実践の中で私たちは“政治的中立”という要請と向き合わなければなりません〉と述べていた加藤委員長だが、“政治的中立”なんて言葉などすっかり忘れていた様子だ。報告された授業が、さらに踏み込んだ内容だったことは言うまでもない。

■非科学的な思いこみ

 たとえば「平和教育」の分科会で、北海道北広島市の小学校の男性教諭が発表した主題は、〈反原発をめざした平和教育〉。政治的中立など最初から放棄しているのである。そして、

「“核と人類の共存はありえない”ことを強く訴えていく必要がある。子どもたちに正しい事実を伝え、自ら考え、正しく判断できる力を培っていくために、平和教育を充実させ、推進していかなければならない」

 と訴えるが、実際には、非科学的な思い込みを強要し、子どもたちから自ら考え、正しく判断できる力を奪っているだけだろう。

 北海道大学大学院の奈良林直教授(原子炉工学)は、

「日本の原子力事業は福島の事故の反省の上に立って、いかに安全性を高めるかを考えています。再稼働の流れの中で、フクシマを繰り返してはならないという思いが踏みにじられる、と言いますが、福島の復興を早めることと原発再稼働は別の問題です。また、“核と人類の共存はありえない”との主張は、核兵器と原発を混同している。北朝鮮の核兵器は断固非難すべきですが、それと原発はまったく違います」

 そう糺すが、勇み足はこの程度では終わらない。「平和教育」の分科会で、鹿児島県薩摩川内市の小学校の女性教諭はこう述べた。

「実は川内原発、反対運動を繰り返してきましたけど、再稼働が決まりました。非常に反対運動をやってきた中で、このようなことがあると気持ちも萎えてしまいます。でも、どんなことがあってもあきらめないということを、みんなで共有しながら活動を続けていくことだと思っています」

“活動家宣言”に続いたのは、こんな話だった。

「担任として、子どもたちと原発の話はしてきました。そんな中で、5、6年生で6人の子どもしかいないんですが、全員が原発には反対なんです。でも、保護者は6人中4人が賛成です」

 この教諭、子どもたちや保護者を、原発への賛否によって分類することの異常性には、まるで気づいていない様子であった。

■“放っておいてはいけないか、と”

 やはり同じ分科会で、神奈川県海老名市の中学校の女性教諭は、

「どうしても、原発再稼働に賛成、基地はなくなってはいけない、武装もすべき、と言う子も出てくる」

 と言い、東日本大震災直後に比べ、原発に反対する子が減った現状を憂えた上で、こう述べたのだ。

「成績のいい子、リーダー的な子の中に、そういう意見の子って出てきていると思う。そういう子は、政治の世界や経済界を牽引したり、技術者として最先端を行ったりするはずなので、放っておいてはいけないかな、と思っています」

 多様な意見を認めない教師こそ放っておいてはいけないのは、論を俟(ま)たない。

 ***

 シリーズ〈教研集会に見る末恐ろしい「日教組」亡国の洗脳(3)〉。(4)へつづく(2月25日(木)掲載予定)。

「特集 生徒に反原発を強制! 反安倍総理を呼び掛け! 教研集会に見る末恐ろしい『日教組』亡国の洗脳」より

「週刊新潮」2016年2月18日号 掲載


【関連記事】
「原発を止めているがために、毎日100億円もの国富が海外に流出している」 安倍晋三×櫻井よしこ対談(1)
「体罰は野蛮だ」なんて大ウソ! 大学教授が訴える「ほめると子どもはダメになる」
子供に十字架を背負わせる「キラキラネーム」命名辞典
元植民地が日本びいきなワケ 「あの頃はモラルがあった……」
歴史教科書だけじゃない!? もう一つの教科書問題 名作小説採択の裏側
デイリー新潮

国内新着ニュース

編集部のイチオシ記事

この記事もおすすめ

  • 発見現場で父献花

    3月26日(月)

    <千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年の女児=当時(9)=が殺害された事件で、遺体発見から1年を迎えた26日、父親(35)が同県我孫子市の現場を訪れ、女児の冥福を祈った。>
  • 皇太子ご一家、長野で静養

    3月26日(月)

    < 皇太子ご一家は26日、静養のため新幹線で長野県入りされた。県北部に数日間滞在する予定。出迎えた市民から「お母さまより背が高くなられましたか」と声を掛けられた長女愛子さま(16)は、「まだまだです」とはにかんだ様子で答えていた。 ご一家は午後0時半すぎ、JR長野駅前に姿を見せた。約380人が集まり、ご一家は何度も手を振って応えた。5分ほど市民と言葉を交わした後、迎えの車に乗り込んだ。 【時事通信...>
  • 漂流カメラの持ち主は東京の女子大生

    3月29日(木)

    <沖縄県石垣島から台湾北東部の宜蘭県に漂着した水中カメラ。海藻や貝で覆われている。上智大学(東京都)の女子大生が2年半前に石垣島でなくしたものと28日分かり、返還されることになった(台湾の岳明小提供)>
  • 心中か、親子3人死亡=首に結束バンド-警視庁

    3月30日(金)

    < 30日午前8時15分ごろ、東京都北区滝野川のスーパー駐車場に止めた車の中で、成人の男女が死亡しているのが見つかった。警視庁の捜査員が2人の自宅がある板橋区蓮根のマンションの部屋を訪れると、室内で別の成人男性が死亡していた。3人は親子で、いずれも首に結束バンドが巻かれていた。心中の疑いがあるといい、同庁は詳しい死因などを調べている。 警視庁捜査1課によると、車内で見つかったのは職業不詳佐々木真一...>
  • タレントの今井翼さん活動休止=メニエール病再発

    3月29日(木)

    < 俳優で歌手の今井翼さん(36)がメニエール病を再発したため活動を休止する。29日、所属事務所が明らかにした。 6月の主演舞台「マリウス」(大阪松竹座)を降板し、治療に専念する。パーソナリティーを務める文化放送のラジオ番組「今井翼のto base」も終了が決まった。復帰時期は未定。 事務所によると、今井さんはめまいなどの症状があり、28日に東京都内の病院に入院した。2014年に発症した「メニエー...>
  • 手に職な仕事「リンパ療法」?

    PR リンパ療法学院

    <10年後、今の仕事を続けているイメージ湧かない…今が人生の転換期かも!?>

国内アクセスランキング

注目トピックス

アクセスランキング

写真ランキング

注目の芸能人ブログ