こんにちは。プロ凡人です。
今日は残業代に関することを書いてみます。残業すると時給が上がるようで下がる「場合がある」、そして死ぬほど残業すればやっぱり上がる、という話。
周知のとおり、ここ日本では「1日8時間、1週40時間」という労働基準法で定められている時間を超えて働いた場合に、25%割増しで賃金を支払わなければいけないことになっています。
従って一見すると、平均時給は高くなるような気がします。しかし、実際にはボーナスが数ヶ月支給される会社も多いと思います。ボーナスは残業単価の計算には含まれていませんので、ボーナスも含めた「年収」÷「1年の労働時間」で計算をすると、残業をすればするほど時給が下がる場合があることが分かります。
どのような場合かと言うと、ボーナスが月給の3ヶ月を超える場合です。
一応数式で確認してみます。月給をX、1ヶ月の所定労働時間をY、ボーナスの支給月数をZとすると…
ということですね。
何をわざわざ数式を使っているんだと言われてしまいそうですが、Z(ボーナス支給月数)が3ヶ月のとき、ボーナスを含めた1年間の平均時給と、残業単価がイコールになるということなので、ボーナスが3ヶ月を超える場合は、残業しない場合の平均時給は残業単価よりも高く、残業をすればするほど、より低い残業単価に収束していくということです。
では具体例を見てみます。
Aさんは月給20万、ボーナス5ヶ月で一月あたりの所定労働時間160時間です。残業をしなければ1年間の平均時給は、(12+5)× 200,000 ÷ 160×12 = 1770 円です。
一方で、Aさんの残業単価は、200,000 ÷ 160 × 1.25 = 1562円です。
つまり、残業をすればするほど1年間の平均時給が下がっていってしまいます。
ただしここで終わりません。1月の法定外労働時間が60時間を超えると割増率が50%になりますので、毎月均等に残業すると仮定して、年間の残業時間が720時間を超えたところから時給が上がり始めます。
これをグラフで表すと…ドドーン!!
720時間を超えたところから少しずつ平均時給が回復し始め、年間残業時間2140時間(一月178時間!!!)でもとの1770円に到達し、そこからようやく本当の意味で時給が上がり始めます!!!
少しふざけましたが、さほど珍しくもない上記のような例で計算してみると、会社側は残業させることにより1時間の労働に払う対価をお安く出来てしまうことが分かります。ボーナスが成果主義で変動するのであれば、時給計算とは切り離して考えるべきと思いますが、実際には成果主義ではなく、固定給化しているという会社も多いと思います。そういう会社では残業をするほど、ただただ時給が下がるということになります。
以上、残業すると単価が上がるどころか、下がるケースがあるという話でした。
残業せずに早く帰りましょう!