音声言語インタフェース最前線

特集・音声言語インタフェース最前線:「Amazon Echo」と「Google Home」を120日使い比べて分かった優劣 (3/3)

» 2018年04月07日 07時30分 公開
[山口真弘ITmedia]
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【5】アラーム&タイマー:両者互角だがややAmazon Echoが有利か

 アラームやタイマーは、筆者にとってスマートスピーカーを購入して以降、なにかと利用頻度が高くなった機能だ。なにせ声だけでセットできるので、スマホで設定画面を開いて時間を入力するよりもずっと手軽だ。タイマーにもいえることだが、操作のハードルが低くなることで利用頻度が高まる好例だろう。

 このアラームやタイマーは、筆者は現状Google Homeを中心に使っているが、機能的にAmazon Echoとそう差はない。もともとGoogle Homeの方が音量が大きくアラーム向きと判断して使い始めたのだが、実際にはAmazon Echoもアラームの音量は調整できるし、デフォルト設定の弱々しい音も、目覚まし時計ライクなけたたましい音に変えられる。カスタマイズ性はむしろこちらの方が高い。

 また上面に物理ボタンを備えたAmazon EchoおよびEcho Dotの方が、アラームが鳴った瞬間に手動で止められるので、使い勝手はよい。これらを考慮すると、総合的にはむしろAmazon Echoが優勢といったところだろうか。なお音を止めるために本体側面を長押ししなくてはいけないGoogle Home Miniのみ、他製品に比べるとアラームやタイマーの使い勝手は明らかに劣る印象だ。

Amazon EchoAmazon Echo Amazon Echoのアラームとタイマー、およびリマインダーはアプリから設定内容を確認できる(画像=左)。設定画面からはアラームやタイマーの音量を変更できる(画像=右)。Alexaそのものの音量とは別に変えられるのはありがたい
Amazon Echo アラーム音を「カウンタートップ」にすると一般的な目覚ましのような、けたたましい音となる。変更対象がアラームのみで、タイマーの音を変えられないのが残念

【6】カレンダーの読み上げ:アップデートにより両者互角に

 Googleカレンダーと連携して予定を読み上げる機能は、Google HomeとAmazon Echoのいずれでも可能なのだが、筆者は今のところAmazon Echoを利用している。

 実は2017年12月の時点では、Google HomeはGoogleカレンダー内で読み上げ対象にするカレンダーが選択できず、メインに指定されているカレンダーしか読み上げられないという致命的な欠点があったため、Amazon Echo一択という状況だったのだが、その後のアップデートでカレンダーが選択できるよう改善され、今ではほぼ同じ使い勝手になった。

 ただこれはGoogleカレンダーに限った話で、Amazon Echoは他にもiCloudカレンダーやOffice 365カレンダーも利用できる。一方で、手動でカレンダーを連携させなくてはいけないAmazon Echoに対し、Google Homeは使用中のGoogleアカウントのカレンダーが最初からリンクされている。こうした使い勝手ではGoogle Home有利、カレンダーの選択肢の豊富さではAmazon Echoが有利といったところだろうか。

Amazon EchoGoogle Home AlexaアプリでGoogleカレンダーと連携させた状態(画像=左)。予定を読み上げる対象のカレンダーを選択できる。Google Homeも同様に読み上げ対象のカレンダーを選べるようになった(画像=右)
Amazon Echo AlexaアプリはiCloudカレンダーやOffice 365カレンダーも利用できるなど選択肢の幅が広い

【7】買い物リスト:リアルショッピングではGoogle Homeが優勢

 スマートスピーカーで何かと重宝するのが買い物リスト機能だ。これは外出時に購入すべき品物を、スマートスピーカーから登録してスマホなどで参照できる機能で、買い逃しをなくすのに役立つ。思い立ったときに素早く登録できるので、スマホやPCから入力するのに比べて圧倒的に楽で、筆者はこの2カ月ほどで多用するようになった。

 Amazon EchoもGoogle Homeも、機能的にはどちらもほぼ同一なのだが、筆者は今のところGoogle Home一択となっている。その理由は、買い物リストのショートカットをスマホのホーム画面に設置できるためだ。Amazon EchoだとAlexaアプリを開いてリストを選択するという2ステップの操作になってしまうのに対して、Google Homeはショートカット一発で表示できるので、外出先で素早く参照できる。

 もっとも、Amazon Echoの場合、買い物リストに加えてもう1つ「やること」リストも用意されている他、そもそも買い物リストを使わずにオンラインでAmazon.co.jpから直接購入できるという、Amazon Echoならではの特徴がある。実店舗におけるリアルショッピングの頻度によっても、この機能の評価は変わってくるだろう。

Google HomeAmazon Echo Google Homeのショッピングリストは「Google Shopping List」という独立したWebサービスだ(画像=左)。Alexaアプリのリスト機能(画像=右)。機能としては同様だが、こちらは「やること」リスト、つまりToDoリストも用意されている
Google HomeGoogle Home 「Google Shopping List」はブラウザベースで表示されるため、ホーム画面にアイコンを追加できる(画像=左)。ホーム画面にアイコンを追加した状態(画像=右)。これならばアプリを開かなくとも直接起動できる。ちなみにAndroidでも同様にショートカットをホーム画面に置ける

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