2017.12.21更新
毎週土曜13時30分から放送中の『関ジャニ∞クロニクル』。関ジャニ∞のメンバーがロケ、コント、歌、トークなど、多種多様な企画にチャレンジし「いきなりドッジ」などの名物コーナーも多数。彼らの新たなおもしろさを引き出すレギュラー番組として、人気を集めています。
そこで、番組の総合演出を務める福山晋司ディレクターにインタビュー。関ジャニ∞の魅力や、番組作りの裏話を語ってもらいました!
――どのコーナーも臨場感たっぷりで「どこまでが台本でどこからがアドリブ?」と思っている視聴者も多いと思います。実際はどうなのでしょうか?
「台本は、あまり決め込んでいないんです。こういうルールの元でやりましょうというざっくりとした説明が書いてあるぐらい。関ジャニ∞のメンバーも、みんなあまり決め込みたがらず、その場で起こることに対して、いろいろなフォーメーションを試して進めて行きたい人たちだと思うんです。
それで彼らは十分おもしろいものにできますし、そのライブ感や状況対応力は目を見張るものがありますね。ちなみに制作台本は10〜20ページ超える、細かいものを自分と作家で作り込みます。関ジャニには自由にやってもらいたいので、その分、かなり場合分けされたものを作って対策しておかないとその展開に美術品やカメラは対応できないので。そして最終的にあがった台本を彼らに手渡す時には大幅にカットして(いわゆる隠し台本)3ページくらいのものにして渡すのが自分のスタイルです。
だから、打ち合わせも1〜2分、その日の企画の要点も多くて3つぐらいしか言わないです。冗談まじりのトークで、なんだったら笑い話に終始して打ち合わせが終わる時もあるのですが、そこはさすがの関ジャニで、本番が始まってみたら、企画の要点はもちろん台本の細かなポイントも実はちゃんと頭に入ってる。それをそのままではなく自分たちなりに咀嚼、アレンジして、より面白いものとしてやってくれる。
彼らはいい意味で『へそ曲がり』なので、1から10まで頼んだとしてもそのとおりにはやらない。肝心なところをあずけるからこそ彼らにもスイッチが入る。愛情表現や恋愛の駆け引きと一緒で全部言っちゃうと色気も雰囲気もなくなる、そんな感じですかね(笑)。それが演出家としてはおもしろいんです」
福山晋司ディレクター
――他にも、関ジャニ∞の魅力、すごさを感じる部分はありますか?
「メンバーそれぞれがお互いの良さをきちんと分かっていて、認めているんだけど、それを絶対に口にはしない。『おまえのこれすごいな』なんてメンバーが言い合っているときは、何かのフリか、つぶしにかかっている時です(笑)。
本当に仲が良くて気兼ねがないので、男子校みたいなノリだなといつも思いますね。このノリをできるだけフラットに番組でも発揮してもらえたらと思っているので、僕はよく楽屋での様子も盗み見させてもらうんです」
――楽屋でのメンバーの様子が、収録中に反映されることはあるのでしょうか?
「もちろんありますよ。少し前の『TOGAKI HOUSE』というコーナーの収録前に、メンバーが映画『アウトレイジ』を見てきたようで、前室で映画の真似をして『なんだよ、バカヤロ』、『そうか、バカヤロ』とやっていたんです(笑)。
これはおもしろいなと思って、本番中に『渋谷が安田にアウトレイジ風にブチ切れ』、『一同止めに入るが全員アウトレイジ風』というト書きを、その場で僕がPCで打って出しました。これは、メンバーの反応がすごくよかったですね。ぶち込んできたな、やってやろうといういいノリがありました。
ちなみに他のト書きに関しては、だいたいこういう流れでいきたいと思うものを事前に文面で打ち込んだ状態で用意しておき、流れによって本番中にどんどん変更していきます。その日で言うと、歌舞伎や鼻キスがハネたので、急遽、自分がPCで打って何度もしつこくやらせました(笑)」
――番組の収録では、あらかじめ流れが決まっているのが一般的だと思いますが、その場で考えて文字の打ち込みをしているとは…! 他にもそういったコーナーはありますか?
「『いきなりドッジ』もそうですよ。仕掛けやミッションは、本番中にめまぐるしく変わっていきます。実は、仕掛けやミッションはオンエアしたものの倍ぐらいの量を用意しているんです。
オープニングからゲームがしばらく続いてく中で、ハプニング含めて、その日のその回独特の流れができてくるじゃないですか?それをあらかじめガチガチに設定したもの(ミッション文言や仕掛け)に無理矢理組み込もうとすると、せっかくの流れや空気が立ち消えてしまうんです。
それが嫌なのでメンバーの反応や展開を見て、いくつも用意した中から次に何を出すかを決めています。たとえば、かなり前ですが、錦戸さんが水をこぼしてしまうハプニングがあった回では、途中から「よし、今回は錦戸さんを追い込む回にしよう!」と決め、ボールも錦戸さんに近い絵の裏から出して水がこぼれるよう仕向けたり、ミッションも彼にやらせる流れになりそうなものを放り込んだりします。
大倉さんが追い込まれていく回も、その流れになるべく沿うようなミッションをチョイスして出します。本番中に、裏でスタッフが慌てて10数種類あるボールから指示のあったものを選び出し、さらに指示のあった場所まで運ぶこともしょっちゅうです(笑)。
『いきなりドッジ』は、メンバー全員が本当に何も知らない状態でスタートするので、1球目のボールから、何百通りもの展開が考えられる。関ジャニ∞のメンバーはそれを存分に楽しめる人たちなので、僕たちスタッフもできるだけ対応したいなと思っています。だからドッジをやってる関ジャニも裏にいるスタッフもみんなわっちゃわちゃです。
それに単純にその方がおもしろくなるんです。収録中は、予定通りに進まずに、もっとめちゃくちゃになったらいいのに! と、あれほどいろんな場合分けをしてシミュレーションをしているのですが、どこかでそう思っている自分がいつもいます(笑)」
インタビューは後編に続きます! 次回は、福山ディレクターが数あるコーナーを解説します!
掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。