錦戸亮さんにインタビュー


錦戸亮さんRyo Nishikido

言わんでもいい過去を言ってくれたら
うれしいしそんな信頼関係がいい

「ハッキリせえへんから人間だと思う。答えがない、人間くさい映画だなと思います」。映画「羊の木」で錦戸亮さんは、元受刑者を町で受け入れることになった市役所の職員として、親子や男女、友情や嫉妬、疑いなど、人間のさまざまな感情に揺れる役を演じる。「危なそうな人だと思っていても、誠意をもって関わる月末(役)のような姿勢は理想です。僕だったら、関わらないでおこうと思うかもしれない。でも疑心暗鬼の中で嫉妬する気持ちはメッチャわかります」

相手の何を信じるかは究極グレー。強面の元殺人犯を市役所から頼まれて雇うことになり、憎まれ口をたたきながらも彼を信じようとするクリーニング店の店主(安藤玉恵)が印象に残ると錦戸さん。「彼女の姿勢を見習いたい。僕もこんな人でありたいです」

一方でやはり複雑な心境も。「もし、結婚相手や彼女から『人を殺していた』と言われたらもちろん驚きますが、“知らんほうがよかった”とは思わない。知らんほうがいいと思うのは、その程度で崩れてしまうような関係。言わんでもいいことを僕に言ってくれたと、喜べるような信頼関係でいたい。衝撃的な過去よりも、その人と密度の濃い思い出があるのなら、関係は変わらないかな…。あ、でもここで『俺は何があっても好きだから大丈夫です』なんて言う人はウソくさいなと思ってしまう(笑)」。

「人は見かけによらない」こともあれば、「肌で感じる直感」もあなどれない。「僕は、人は見かけによらないという思いのほうが強いんです。それより信頼できるかどうかが大切」と言う錦戸さん。仕事で初対面の人と接する機会が多いが、そんなとき、人を信じるか疑う、どちらのタイプかを尋ねると、「疑いますね。傷つくのはこわいから。でもニコニコ笑って心を開いてくれる人は、単純にいいなと思います」

コレに出演!
「羊の木」
仮釈放中の受刑者男女6人の移住転入を担当することになった市役所職員・月末一(錦戸亮)。町の人々は彼らの素性を知らないまま雇い、住人として受け入れ始めるが、ある日変死体が発見され、町の日常は少しずつ狂い始める

2月3日(土)全国公開 ©2018「羊の木」製作委員会 ©山上たつひこ、いがらしみきお/講談社

PROFILE

1984年大阪府生まれ。2002年関ジャニ∞結成、音楽やバラエティで活動。ソロでは「てるてる家族」「ラストフレンズ」など多くのドラマに出演。映画初主演は「ちょんまげぷりん」。「県庁おもてなし課」「抱きしめたい-真実の物語-」ほか出演。「西郷どん」で西郷隆盛の弟・従道役としてNHK大河ドラマ出演中。ほか「関ジャム完全燃SHOW」「ペコジャニ∞」などに出演中

取材・文/かしわぎなおこ(モアナ・サンライズ) 撮影/大仲宏忠 ヘアメイク/平山直樹(wani) スタイリスト/九(Yolken)


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