スマートスピーカーがいち早く普及している米国で最もポピュラーとされる機能が、この音楽再生だ。連携する音楽配信サービスの充実度は曲の好みによっても異なるはずなので、ここではあくまでもスピーカーとしての品質や使い勝手にフォーカスして見ていく。
筆者は今のところ、この音楽再生についてはGoogle Homeの独壇場になっている。理由は幾つかあるが、Google Play Musicに無料で曲をアップロードして連携させることで、手持ちの曲をジュークボックスのように聴けるのが大きな利点だ。Amazon Echoではこれはできない。
もう1つ、Bluetooth接続で外付けスピーカーとして使う場合も、Google Homeの方がシームレスに使える印象だ。例えばスマホとBluetooth接続して音楽を再生する際、Google Homeは音量調節なしでそのまま聴けるのに対して、Amazon Echoはおそろしく音量が小さく、Echo側で大きくしてやらなくてはいけない。これがやや手間だ。
もちろんスマホ側で音量を大きくしても構わないのだが、それだと接続を解除した後、スマホの内蔵スピーカーから大音量で再生が始まり驚かされることになる。かといってEcho側で音量を上げると、今度は応答音声が大きくなりすぎて困ってしまう。基準となる音量によっても異なるだろうが、筆者はGoogle Homeの方がなじみやすく、多用する1つの理由になっている。
なお音質については、Google Homeはやや低音寄り、かつ全体的にややこもりがちで、Amazon Echoの方がバランスがよいと感じる。ただ製品を評価する決め手になるほどの差はなく、またGoogle HomeはAmazon Echoと違ってイコライザー機能が使える利点もあり、互角といったところだ。なお小型サイズの2製品については、スピーカーの品質はあくまでおまけレベルなので、音は期待しない方がよい。
市販のスマートリモコンと連携した、音声による家電製品のコントロールは、Amazon Echoが圧倒的に優勢だ。スマートリモコンの中にはGoogle Homeに対応した製品もあり、筆者もそれら込みで複数のスマートリモコンを所有しているのだが、現状ではAmazon Echoの方がそれらとの連携に向くと感じる。
最大の理由は、複数の命令をまとめて行える「定型アクション」機能の存在だ。これがあれば、例えば帰宅した際に、リビングの照明とテレビを同時にオンにするなど、複数のアクションをまとめて実行できる。
ポイントとなるのは、電源を「オン」にする動作と「オフ」にする動作を混在させられることだ。スマートスピーカーで操作できる家電製品が増えてくると、例えば「外出時に部屋の照明をオフにするのと同時に玄関の照明をオンにする」といった具合に複数の機器を一括で、かつ電源のオンとオフが混在した操作をしたくなるので、この機能は重宝する。
もう1つ、わずかながらしばらく使っていると気になってくるのが、家電製品の操作を指示した際のスマートスピーカーの応答だ。Amazon Echoはこちらからの指示に対して「はい」もしくは「分かりました」と簡潔に返事をするのに対して、Google Homeは「分かりました、○○をオンにします」と指示をほぼ丸ごと復唱する。
こうして文章で起こすとGoogle Homeの方が親切に見えるかもしれないが、ちょっとした操作の度にいちいち復唱されるのは、結構イライラさせられるものだ。対してAmazon Echoは最初はそっけなく感じるが、しばらく使い込むといい意味で存在を感じなくなり、シームレスに使えるようになる。これもAmazon Echoを多用している理由だ。
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