「一人回転寿司をしたことがある」38%、女性でも2割強は経験済み(最新)

2018/04/05 05:07

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2018-0402世帯人数の少数化、一人暮らし世帯の増加、食生活の変化、さらには成人の一人における食事をむしろ楽しもうとする社会的風潮により、いわゆる「ひとり飯」なる食のスタイルが世間一般に認められつつある。外食店ではその「ひとり飯」での利用が前提となるタイプの店もあるが、家族連れ、グループ利用が前提な店も多く、後者の店での個人利用は気恥ずかしさの点で「利用ハードルが高い」と言われている。今回はその認識が強い店の代表格として知られている回転寿司における「ひとり飯」の実情について、マルハニチロが2018年3月29日に発表した回転寿司に関する消費者実態調査などから確認していくことにする(【発表リリース:回転寿司に関する消費者実態調査2018】)。

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今調査に関する調査要項は先行する記事【利用者7割強、そのうち月一以上は4割近く…回転寿司の利用実態(最新)】を参照のこと。

まずは回転寿司における「ひとり飯」、つまり一人で回転寿司店を利用することのあり・無し感。「あり・無し」について具体的な定義は成されていないが、普通にこの言い回しを見聞きし解釈する内容としては、ありが「マナーや世間体、自分自身の信念の観点で行っても構わない」、無しが「常識から外れる雰囲気を覚える、気恥ずかしさが強いので自ら実行するのはハードルが高く、他人への推挙も難しい」と読み解けばよいだろう。

なお今項目は実のところ今回年、さらには前回年でも調査では行われておらず、2年前の2016年の結果を参照している。次の「経験あり・無し」と深い関係があるため、今回は用いることにした。見方を変えれば2017年以降はすでに「一人で回転寿司店に行くのはあり」が世間一般的に「あり」だと認識されているのだろう。

↑ 回転寿司店の使い方として自分一人で回転寿司店に行くのはありか無しか(月一以上回転寿司店利用者限定)(2016年)
↑ 回転寿司店の使い方として自分一人で回転寿司店に行くのはありか無しか(月一以上回転寿司店利用者限定)(2016年)

当事者が気恥ずかしさを覚えるのは店内に居る時間帯がメインとなるので(後に思い返して恥ずかしく感じる状況は想定しにくい)、回転寿司店利用者における判断を聞けばよいから、今調査対象母集団での判断のみで十分。回転寿司利用者以外の意見を尋ねてもあまり意味が無い。大よそ7割近くが肯定派となり、否定派は3割強。「一人回転寿司」は容認されていると見てよいだろう。

ただし男女別に見ると、男性が3/4を超えているのに対し、女性は6割足らずに留まっている。男性は仕事帰り、あるいはお昼時にちょっとしたご褒美としてなど、それこそ牛丼屋感覚で来店ができるのだろうが、その牛丼屋同様に女性にとっては躊躇してしまうケースが多いと考えれば、男女差は理解ができる。

無論、来店ルールとして女性一人の利用が許可されていないわけでは無い。昨今ではサイドメニューも充実し、スイーツの類も多分にあるので、積極的に利用することをお勧めしたい。あるいは逆で、女性などの来店ハードルを下げる期待も、スイーツなどの充実にはあるのかもしれない。

それでは具体的に、その「一人回転寿司店」をしている人はどれほどいるのだろうか。これまでに一度でも経験をしたことがある人の割合を示したものだが、全体では4割近くとの結果が出ている。見方を変えるとそれなりに日常生活において回転寿司店を利用している人でも、6割強は「一人回転寿司店」をしたことが無いとなる。ただし「一人回転寿司店」の必要性は一人暮らし、夫婦世帯の構成員でも営業職などでは比較的高いものとなるなど、多様な条件によって値に変化か生じると推測されるため、男女や年齢階層のみの属性は影響を与える一要素に過ぎないと見た方がよい。

↑ 一人で回転寿司店に行ったことはあるか(月一以上回転寿司店利用者限定)(2018年)
↑ 一人で回転寿司店に行ったことはあるか(月一以上回転寿司店利用者限定)(2018年)

全体では37.9%だが男性に限れば53.4%。ちょっとしたご褒美としてお昼ご飯に、仕事帰りに居酒屋で一杯、あるいは外回りの営業などの際の食事になど、利用機会は男性の方が多いように見受けられる。年齢階層別では10代はお財布事情を考えると、学生が「一人回転寿司店」を行うのは難儀するであろうことから、仕方が無い感は否めない。

今件結果は男女別の仕切り分けにおいては、女性は一人で回転寿司を利用することを敬遠していると読み取れる。男性と比べて就業中・就業後に立ち寄る機会が少ないのも一因だが、女性の「ひとり飯」がしにくい場所であるとのイメージがあるのも否定はできない。いわゆる「一人牛丼屋」に近い部分もある。

しかしながら昨今では食の多様化、近接他業種の事業広域化を受け、回転寿司店も多様なメニューを導入し、今や回転寿司店のシステムを採用したファミリーレストラン的な実態を有する店も多い。さらに店内の様相もこれまでの回転寿司のイメージでは無く、カフェスタイルのようなところもある。

↑ カフェ代わりに回転寿司店に行ったことはあるか(月一以上回転寿司店利用者限定)(2018年)
↑ カフェ代わりに回転寿司店に行ったことはあるか(月一以上回転寿司店利用者限定)(2018年)

残念ながらカフェ代わりに回転寿司店を利用した経験がある人は少数派だが、男性より女性、中堅層以降よりも若年層で多いのは注目に値する。

回転寿司店のカフェ的な品ぞろえの充実の動きもあるいは、女性が足を運びやすい雰囲気を演出するための施策の一つなのかもしれない。


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