メイキング・オブ・人類誕生〜最先端CGで描く驚異の映像世界〜[字] 2018.04.04

54月 - による admin - 0 - 未分類

そんな壮大なテーマに挑むNHKスペシャルシリーズ「人類誕生」がスタートします。
かつてアフリカのか弱い生き物にすぎなかった人類は絶滅の危機を乗り越えホモ・サピエンスへと進化しました。
やがて世界中に広がった人類の偉大な旅路を地球規模の取材で描きます。
実はこの番組の実現には大きな困難がありました。
誰も出会った事のない太古の人類の姿をどう映像化するか?誰も見た事のない数百万年前の営みをどう描くか?その難問を解決したのは最新科学の研究成果と最先端のコンピューターグラフィックスでした。
超高精細なCGでよみがえったリアルな私たちの祖先。
それは世界最高峰と言われている日本のゲームクリエーターと研究者との共同作業によって成し遂げられたのです。
今回CGのクオリティーが非常に高かったっていう事ですよね。
それは今までにないものだと思います。
はるかなる時を超え再現された人類のご先祖様の物語。
制作期間2年に及ぶ壮大なプロジェクトの全貌に迫ります!まるで息遣いまで伝わりそうな生き生きとした姿。
NHKスペシャル「人類誕生」の一場面です。
草も木も太陽もそして動き回っている彼も目に見えるもの全てがコンピューターグラフィックスです。
最初の主役が…今から440万年前二本の足で歩いていたと考えられています。
これらのCGはいかにして生み出されたのでしょうか?今回特別にCG制作の現場にカメラが入りました。
制作を担ったのはこちらの大手ゲームメーカー。
世界的なヒット作を手がけてきたチームが太古の世界を再現するという難題に挑みました。
チームを率いたのは…僕らのこれまでゲーム開発やゲームに付随して制作されるプリレンダリングなムービーの技術ノウハウというものをゲーム以外の分野に生かせる機会というのはこれまでなかなかなかったんですけれどいろんなものが乗り越えなきゃいけないものがあるだろうなと思いながらも我々のチームとしてはもうそれはやりたいと。
受けますという話をすぐにしたんですね。
CGはさまざまな工程が多くの人の分業によって作られます。
順を追って見てみましょう。
最初はラミダスの体を作る作業です。
(岩澤)コンピューター上で粘土をこねるようにしてキャラクターを作っていくっていう工程ですね。
これが「モデリング」という工程。
身長や腕の長さなどを調整し基本的な体格をデザインします。
ところが「人類誕生」のCGにはかつてない難しさがあったといいます。
まず最初にラミダス猿人というのがどんな生き物なのかというのが分からなかったのでまずそれをいろいろこう学者さん専門家の先生にいろいろ聞いたりとかそういった特徴というのを聞きながらそのアウトラインというのを確かめていくというかそういう作業の繰り返しでしたね。
太古の世界を可能なかぎり正確に再現する事を目指した今回のCG制作。
作業の節目ごとに専門家の目でチェックしました。
監修したのは…CGのモデルはたとえ論文などのデータを忠実に再現しても違和感が生じる事があります。
足に比べて手が大きく見えるのが不自然だと指摘しました。
馬場さんの指摘は爪の僅かな大きさの違いまで及びました。
参加したクリエーターにとってゲームで培ったCG作りとは全く違う経験だったといいます。
史実としてのバックボーンがあって映像化するっていうのは学術的な見地とか監修を元にしてそれらを再現していくのでこれはやってみて体感したというところではあるんですけれどもまあ深いですね。
試行錯誤を繰り返す事5か月。
ついにラミダスの体が完成しました。
しかしこのままではキャラクターは動きません。
次はアニメーションの工程です。
440万年前に直立二足歩行をしていたというラミダス。
その動きはサルとも今の私たちとも違うといいます。
動きの再現に使われたのがモーションキャプチャーという技術。
生身の人間の動きをデータとして記録しそれをもとにCGを動かします。
アクターの動きを捉えるのは100台を超える特殊なカメラ。
正確な動きをつけるため馬場さんが細かく監修します。
(スタッフ)よ〜いスタート!モーションキャプチャーではキャラクターの微妙な動きをリアルタイムで収録する事ができます。
細かい修正を加えながら何度も収録。
(スタッフ)よ〜いスタート!記録されたモーションキャプチャーのデータはすぐにCGに反映されます。
こうして作られたのが簡単なアニメーションが加えられたCG通称「プリビズ」です。
ようやくラミダスが動きだしました。
440万年前の歩き方が再現されたと思いきや…これだけではまだ足りないんです。
実際にカメラから見た時に不具合があったりとかあと指とかはついてないので人さし指が今実際接地してないじゃないですか。
ちょっと浮いてる状態なんですけど。
モーションキャプチャーだけではどうしても不自然な部分が残るため一つ一つ手作業で修正する必要があるんです。
この時より自然に見せるための工夫がもう一つ。
CGだとそのまんまピタッてなるんですけど実際はこのままピタッてなっててもすごいCGっぽく見えちゃって本当のはそこからちょっと伸びたりとか力入ってる時にグッと力が入ったりとか実際のディテールの動きを足してあげないと実際見た時にリアルに見えないというか。
川村さんは自分の手を撮影して関節や筋肉などの微妙な動きを観察。
より生き物らしい自然な動きを再現しました。
やってみないと分からない事多いですね。
やっぱり映像を追ってみてどのぐらいの動き幅なのかなとかあとやってみるとここがもうちょっと動くとか動かないとかというのもあるので。
そしてラミダスの体にフサフサの毛が生えました。
しかし単に毛を生やしただけではリアルに見えません。
次に必要なのが「シミュレーション」という工程。
CGで描いた毛に重力や風の流れなどの条件を入力しコンピューター上で計算して動かします。
これでラミダスのリアルな体と動きが出来上がりました。
このあとキャラクターに命を吹き込む重要な作業が待っています。
顔の作り込みです。
それは体づくりとはひと味違う繊細で芸術的な工程です。
これは「スカルプティング」という作業ですね。
彫刻のように一本一本シワを描いていきます。
まさに職人技の世界です。
これは「サーフェシング」という工程。
表面にシミや皮膚の色を加えて年齢や生きざまを表現します。
そしていよいよ仕上げの工程です。
ラミダスの顔の表情を入れるフェイシャルセットアップをしている状態です。
顔の表情をいくつかの表情筋の組み合わせでセットアップを行っている作業になります。
表情筋とは顔の表情を生み出す筋肉の事。
今回ラミダスには20から30の表情筋を設定。
その組み合わせで50パターン以上の表情が作れるといいます。
鼻口あと頬とかですね。
このへんの表情がちょっと難しかったですね。
セットアップ的には。
満足のいく表情はできたのでしょうか?まあ6割7割ぐらいは出たんじゃないかと思います。
またまたご謙遜を。
そうですね。
ちょっとそこは見た方に判断して頂ければ。
太古の世界を科学に基づいて徹底再現したコンピューターグラフィックス。
例えばこちらの場面。
主役のラミダス以外にも更に多くのクリエーターの手が加わってできているんです。
その一つが木々や草花などを作る「背景」の仕事です。
この広い森も実は全てCGで描かれています。
(柿坪)これは恐らく何百万本って生やして配置をしていますね。
ラミダスがいた当時の自然をどうやって再現するかってのが一番難しかったところですね。
太古の自然環境を徹底的にリサーチし本当にその時代にあった植物を制作。
およそ3か月かけて背景が固まりました。
自然物を大量に置かなければならなくて一つ一つが違う形をしているんですよね。
同じものが並んでいるとか不自然さが出てきてしまうと困るので。
更に登場する果物など小さな小道具にも徹底したこだわりがあるんです。
今回はイサカマという果物を作らせて頂きました。
これがイサカマの実。
ゴツゴツした表面に細かい実が詰まっています。
(勝山)原産国がアフリカでチンパンジーとかがよく食べてる果物だそうなんですけど日本ではないんですよ。
イサカマだけでなくさまざまな果物の資料も収集。
更に2週間ほどかけて果物が腐っていく様子を観察しイサカマのCGの質感や形状に生かしました。
こうしていくつもの工程と多くの人の情熱が注がれてようやく完成した440万年前の地球とラミダス。
世界のどこへカメラを持っていっても撮影する事のできない太古の風景。
そして誰も見た事のない人類のご先祖様の暮らしぶりが初めてリアルな4K映像になりました。
今回やっぱりCGのクオリティーが非常に高かったという事ですよね。
それは今までにないものだと思います。
更に表情がですねちょっと困ったような表情をするとか危ないなとかですねそういうふうな微妙な表情まで含めたそれがCGで非常によく表れていましたね。
更に「人類誕生」では映像だけでなく古代の音楽の再現も試みられました。
これはホモ・サピエンスが行っていたとされる儀式のシーンで使われる音楽です。
その音楽を再現した人はイギリスにいます。
考古学者と作曲家という2つの顔を持つルパート・ティル教授。
長年旧石器時代の音楽を研究してきました。
番組ではもう一つ珍しい音が使われています。
(動画の音声)Eleventwelvethirteenfourteen.ティルさんの音楽ではるか昔祖先たちが行っていた儀式の幻想的な雰囲気がよみがえります。
驚きと謎に満ちた人類進化の道のりを3回シリーズで描く…第1集の舞台はアフリカ。
太古の人類からホモ・サピエンス誕生までの700万年に及ぶ進化と逆境の物語です。
それぞれの時代でさまざまな危機に直面した人類はどう命をつないだのか?生き残りをめぐって壮絶なドラマが繰り広げられます。
第2集はアフリカを旅立ったホモ・サピエンスとライバルネアンデルタール人との出会いと別れの物語。
この出会いが人類にもたらしたものとは?第3集は世界に広がるホモ・サピエンスの旅路。
大きな障壁を乗り越えた私たちの祖先その秘められた力を描きます。
ナビゲーターは俳優の高橋一生さん。
最新科学と最先端CGでよみがえる人類700万年の壮大な進化のドラマをあなたも目撃して下さい。
そしてEテレでは関連番組「コングラCGの教室」を放送。
「人類誕生」の舞台裏などからCGの仕組みを分かりやすく解説。
こちらもお楽しみに。
2018/04/04(水) 23:55〜00:15
NHK総合1・神戸
メイキング・オブ・人類誕生〜最先端CGで描く驚異の映像世界〜[字]

NHKスペシャル「人類誕生」は、人類進化の謎に迫る3回シリーズ。そのメイキングを公開。絶滅した祖先の姿を、リアルなCGで蘇らせるプロセスにカメラが密着。

詳細情報
番組内容
4月8日から始まるNHKスペシャル、「シリーズ 人類誕生」は、驚きと謎に満ちた人類進化の壮大な物語を、最新科学で解き明かしていく3回シリーズ。アフリカ、ヨーロッパ、アジアを舞台に、人類が進化の階段をのぼりながら、世界に拡散していく旅路を描く。番組の目玉の一つが、超高精細なCGで蘇る絶滅した人類の姿。2年がかりの制作現場にカメラが密着した。驚異の映像技術の最前線を大公開。
出演者
【出演】高橋一生,馬場悠男

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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