2017年秋から国内でも次々とリリースされ始めたスマートスピーカー。現在市場に出ている製品のうち人気が高いのが、Amazonの「Amazon Echo」と、Googleの「Google Home」という両陣営だ。Amazon Echoは「Alexa」、Google Homeは「Googleアシスタント」という音声アシスタントに対応しており、音声によってクラウドベースのさまざまな操作が行える。
筆者は上記2陣営のスマートスピーカー5製品を一通り入手し、自宅で使用しているが、日常的に使い続けていると、だんだんと用途別に使う製品が決まってくるものだ。今回は筆者がこれらスマートスピーカーを使い始めて(長いもので)4カ月以上となる現段階で、具体的にどんな用途に使っているのか、またそれぞれの用途にどの製品を割り当てているのかを、その理由とともに紹介する。
用途比較の前に、まずは両陣営の製品の特徴をざっとチェックしておこう。
両陣営の製品を比べる場合、「Echo Dot」対「Google Home Mini」という小型サイズ、「Echo」対「Google Home」という標準サイズでの比較となる。Amazon陣営には大型の「Echo Plus」という製品もあるが、これはEchoにホームハブ機能を追加した製品なので、比較検討してEchoがよいと判断した場合のみ、Echo Plusを候補に加えて再考する程度でよい。
両陣営の設計コンセプトの違いを感じさせるのが、本体での音量調整の方法だ。Echoは天板部の物理ボタンで音量をダイレクトに調整できる(Echo Plusを除く)。一方のGoogle Homeはタッチセンサー式ゆえコツが必要で、直感的な操作がしづらい。またミュートに関しては、Google Home Miniは本体側面の長押しという独特の操作方法ゆえ、とっさに音を止めるには不向きだ。
音声で呼び掛けた際に、LEDが点灯して反応するのはどの製品も共通だが、視認性はAmazon Echoの方が上だ。というのもEchoはLEDが天板の縁にリング状に配置されており、上からでも横からでも目視で確認できるからだ。
Google Homeは側面ならびに天板よりも下からだと全く見えないので、目線よりも高い位置に本体を置くと、応答の確認が通知音頼みになってしまう。ベッドに寝転がった状態で使うことが多いとかなり不便だ。
本体のデザインは好みが分かれるところだ。Google Homeはファブリック調の素材を採用することで、室内に設置しても見た目が重くならない工夫が見られる。Amazon Echoも周囲こそ布地だが、上面のボタンにはメカっぽさが残っており、ガジェットらしさを部屋に持ち込みたくない人には不向きだ。ただし色にもよるので、Amazon Echoも白など軽めの色であれば、部屋に置いてもそう雰囲気を重くすることはない。
Amazon Echoは、スマホで言うところのアプリに相当する「スキル」を追加することで、機能を自由に増やせる。一方のGoogle Homeも新たに「Actions on Google」という仕組みを作り、機能をあとから増やすことが可能になったが、現状では早くからサードパーティーに門戸を開放していたAmazon Echoに一日の長がある。
例えば、筆者がAmazon Echoで常用しているスキルのうち、JR東日本の列車の運行遅れを知らせる「JR東日本 列車運行情報案内」や、銀行の口座残高や振込履歴を読み上げてる機能は、Google Homeでは現状利用できない。こうした差は今後徐々に縮まっていくだろうが、充実度でAmazon Echoを逆転するのは難しいのではないかと思う。
ただAmazon Echoの場合、新しく機能を使う場合は、事前にスマートフォンのAlexaアプリからスキルを有効化しておかなくてはいけない。例えば突然思い立ってラジオを聴きたくなったとして、Google Homeは「○○(放送局名)を流して」と呼び掛ければすぐにradiko経由で再生が始まるが、Amazon EchoはあらかじめAlexaアプリの「スキル」を開いてradikoのスキルを有効化しておかなくてはいけない。
またAmazon Echoに関しては、ユーザーがお試しで作ったかのような雑多なスキルや、企業が取りあえずトレンドに乗り遅れないためだけに作ったかのようなスキルも多く、日増しに探しにくくなってきている。
早期に小分類やフィルタリング機能の追加が行われないと、スキルの多さが逆にハンディになりかねず、それ故に必ずしもEcho有利とはいえないというのが、現時点での筆者の考えだ。
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