息子が保育園に通い始めたのは去年の春のことでした。
この1年間で何度か言われることがあったこの言葉
「小さいうちから保育園に通わせるなんてかわいそう」
わたしは、これに対する上手な答えをいまだ持ち合わせていません。
1年前、2歳の誕生日を目前に控え、1歳11ヶ月の息子は保育園の未満児クラスに入園しました。
当初は本当に毎日よく泣いていました。
朝の「行ってきます」は後ろ髪をひかれる思いで手を振ったのを覚えています。
働き始めて1ヶ月ほど経った頃のことです。
ある日、職場の同僚にかけられた言葉がとても心に残りました。
この日は、仕事が終わるといつもより急いでお迎えに行きました。
息子は嬉しそうに飛びついてきました。
笑顔で迎えてくれた事に、ホッと安堵しました。
入園する前は、お昼寝から目覚めると私を探して泣いて抱きついていました。
保育園では、どれだけ探しても母はいません。
もしかしたら泣いて先生に抱っこをせがんでいたかもしれません。
それを思うと、とても胸が苦しくなります。
「私が働かず隣にいてあげれば、流さずにすんだ涙かもしれない」
「かわいそうだね」と言われてうまく答えられないのは
「寂しい思いをさせていることだろう、かわいそうだな…」という
罪悪感にも似た気持ちが私の中にあるからだろう、と思います。
そうしてまでも、今、私は働かなければいけないのか?
育児にはとてもお金がかかります。
仕事をしていないからといって、今日明日にでもこの生活を失うことはありません。
しかし今後にかかる出費や、家族の暮らしを考えたとき
「働かない」という選択肢は私の中にはありませんでした。
いつ、働き始めるか?これについては夫とよく相談し、決めました。
我が家は「みんなで働き、生活を支えあう」という選択肢を選んだのです。
泣いてしまう日も、疲れてしまうこともありますが…
家族で励ましあえば、前に進んでいけるはずです。
もしも誰かに「かわいそうだね」といわれた時
その答えは自分たちの暮らしの中にあるような気がします。
私と、私の家族が笑って暮らしていれば、それでいいのです。
今年、息子は3歳になります。
この1年でとても成長しました。
朝のお別れの時、もう息子は涙をみせません。
「バイバイ!」とタッチした後は、まっすぐにクラスメートのもとへ駆けていきます。
その背中がとてもたくましくて、母と離れる寂しさは感じません。
私には、それがとても嬉しいのです。
著者:はちや
年齢:アラフォー
子どもの年齢:2歳
インスタグラム:@hatiyamaru
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