春休みが終わり、息子、高校2年生になりました。
体の成長もゆるやかになって来たこの一年は、
親から見たら、少しは成長してんのか?と疑問に思う事もあるけれど(^^;
わずかずつでも、何かを感じて、成長していて欲しいと願う。
青春時代には、精神的な紆余曲折がたくさんある。
主に自分と他者との関係にまつわる苦しみにたくさん揉まれる。
解決とはいかないまでも、それなりに悩みを咀嚼する事も覚えていくのが、
大人になっていくという事かも知れない。
思うところがあっても胸にしまう、みたいな。
白黒じゃなくグレーと言えるようになる、みたいな。
これが大人社会の生き抜き方と言えばそうなのかも知れないけれど、
息子は私に似て、白黒はっきりしたい性格なので、
自分を殺して波風立てず、それなりにやり過ごすという事は苦手。
もちろん学校ではそう頑張っているので、
家ではそのストレスが爆発して、いつも私相手にギャーギャー文句言っている。
無理もない。
大人だって、ツラいものね。
モヤモヤモヤモヤ、溜まるよね。
だから家で爆発する分には、存分にど~ぞと息子には言っている。
思い切り吐き出させた後は、
共感しつつも、大人として社会を生きていくには、必要悪なスキルなんだという事も、
教えなきゃならない。
本当は、誰もそんな事しなくてもいい世の中だったら最高だよね。
素直に喜怒哀楽を表現していいなら、ストレスで病気になる事もないのにね。
それを望む事をすっかりあきらめ、ストレスにすら思わなくなった時、
大人になったと言えるのかも知れない、悲しいけれど。
遅かれ早かれ大人にならなきゃいけないのなら、
息子には、まだまだ素直に感情表現しててほしい。
将来息子が社会の中で困らないようにと、
大人社会の必要悪ばかりを教える日々で、
私自身、少し空しい気持ちではあった時、
「人生は輝きに満ちている」と実感した出来事があった。
春休み、東北へ一泊の一人旅へ行った息子。
そこで出会った数々の人の優しさに感動して帰って来た。
都会の人と田舎の人の、見ず知らずの人に対する態度の違いに驚いたようで、
田舎最高だわぁ~と言っている。
田舎で育った私は、田舎もたまに行くからいいんだと反論したけど、
生まれてからずっと都会育ちの息子にとっては、
綺麗な空の色、そこにくっきり浮かぶ雪をかぶった山の稜線の景色、
雪解け水が激しく流れる、けれど澄んだ川、
小一時間で行くところが無くなってしまった地方都市の駅前、
初めてひとりで泊ったホテルのお部屋、
土地の名物にありえない食材が入っていた事、
人情、
色々な事が新鮮で、うれしくて、胸に迫って、きたようだ。
怒涛のLINEメッセージ。
帰宅して、興奮しながら出来事を話す息子、
久しぶりにあんなに生き生きした笑顔を見た気がした。
こういう未知との遭遇、人の優しさとの触れ合いこそが、人生の喜びでもある事を、
「あきらめる」事だけが大人になる事ではないという事と一緒に息子に伝えたかったんだ。
息子はこの旅でしっかりそれを実感してきたわけで、
そういう意味で、高校一年生の締めくくりに一人旅に行かせて良かったと思う。
そして、どんなにネットが発達しても、
自分の目で見て、その場に立つ「体験」に勝るものはないと私も再認識した。
やはり、人は旅に(外の世界に)出ないと成長はないのだ。
凪