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無法地帯、レイプや民族間抗争で数百万人が避難 コンゴ民主共和国
【4月6日 AFP】コンゴ民主共和国で無法地帯と化している東部で、性的暴力や民族間抗争が増加しており、数百万人が家を捨てて避難を強いられる人道的な危機が生じている。
国連安全保障理事会(UN Security Council)が先週、全会一致で出した声明によると、同国で人道支援を必要とする人は少なくとも1310万人に上り、うち770万人は重度の食料不足に陥っている。だが政府はこれを誇張だとして否定している。
危機に対処するため、17億ドル(約1820億円)の資金調達を目標に来月スイス・ジュネーブ(Geneva)で開かれる大規模な援助会議への出席を同国は回避しており、国際社会との対立が続く中、東部地域ではレイプが増加している。
混乱するコンゴにおける集団レイプ被害者への取り組みでノーベル賞に3度ノミネートされている著名な婦人科医師ドニ・ムクウェゲ(Denis Mukwege)氏は、450床を有する東部ブカブ(Bukavu)のパンジー病院(Panzi Hospital)で、レイプ被害者に女性器の再建手術や総合ケアを行っている。同病院でAFPの取材に応じたムクウェゲ医師は「2015年には性的暴力が著しく減少したが、2016年末から2017年にかなり増加した」と述べた。
犠牲者の中には、米ディズニー(Disney)の人気キャラクター、ミニーマウス(Minnie Mouse)のTシャツを着ていた10歳の少女も含まれていた。この少女は2月にカビココレ(Kabikokole)村で武装集団に襲われた。
ムクウェゲ医師によると、レイプの犯人像は変化している。南キブ(South Kivu)州の性的暴行の大多数は民間人による犯行となっており、もはや治安部隊や武装集団によるものではないという。ただし、民間人の中には反政府勢力の戦闘員だった者が多数いるとされる。
さらに、東部地方では寄せ集めの民兵部隊や反政府組織、自警団、そしてコンゴ軍の間で繰り広げられる様々な紛争により死者数が増加している。同国の紛争に関する研究NPO「コンゴ研究グループ(Congo Research Group)」によると「非民間人」、すなわちコンゴ軍兵士らの犯行だけで、2月には北キブ州で106人が死亡し、80人が拉致されている。