【4月6日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は、重病で人工呼吸器によって生命が維持されている英国の男児について、治療継続への支持を表明した。

 1歳10か月のアルフィー・エバンス(Alfie Evans)ちゃんは、まれな神経変性疾患で慢性てんかん発作があり、2016年12月から入院している。人工呼吸器が取り外されればその命はたちまち奪われてしまう。

 父親のトム・エバンス(Tom Evans)さんと母親のケイト・ジェームズ(Kate James)さんは、イングランド(England)北西部リバプール(Liverpool)のアルダーヘイ小児病院(Alder Hey Children's Hospital)がアルフィーちゃんの人工呼吸器を停止しようとするのを阻止するため、法廷で争ってきた。

 高等法院は今年2月、両親の意に反してアルフィーちゃんの生命維持治療中止を認める判断を下し、控訴院に加え、同国の民事事件の最上級審である最高裁もこれを支持した。

 さらに両親は、欧州人権裁判所(ECHR)の審理を希望したが、同裁の判事らは、申請は受理し難く人権侵害に当たる要素は見受けられないとして、これを却下。これで司法上の選択肢も尽きたとみられている。

 だが、フランシスコ法王は4日、ツイッター(Twitter)に「アルフィー・エバンスちゃんに哀れみの心を寄せ、これからも付き添い続けることができるよう、必要なあらゆる手だてがなされ、両親の深い心痛が聞き入れられることを心から願う」と記した。(c)AFP