「小規模だけど評価できる大学」ランキング

大学を熟知する685校の進路指導教諭が投票

高校の進路指導の先生から評価の高い小規模大学はどこなのか (写真は国際教養大学。撮影:梅谷秀司)

今年の一般入試は、昨年と同じく、私立大学の志願者が激増した。前年比で7.2%増え、少子化が進行しているにもかかわらず、12年連続で増加している。国公立大学の志願者は前年比で1.1%減り、7年連続の減少になったのとは、対照的な結果となった。

私立大人気の理由は2つ考えられる。1つは文部科学省が地方創生の一環として、大都市圏の大規模大学の入学者を2016年から定員に近づけるよう、漸減させていることだ。大手私立大は入学者を減らすため、一般入試の合格者を減らしている。

昨年も私立大は大人気で志願者を増やしたところが多かったが、さらに合格者も減ったことで倍率は大きくアップしていた。倍率は青山学院大学が6.2倍から7.0倍、法政大学は4.2倍から5.4倍、立教大学は4.6倍から5.4倍、早稲田大学は5.6倍から6.7倍へ、立命館大学は2.9倍から3.3倍へと、それぞれ上昇した。

文系人気と定員厳格化で私大志願者が激増

今年も同じことが起こると見越し、受験生は併願校を増やした結果、志願者の激増につながったわけだ。中でも、センター試験利用入試が10%の志願者増となり、併願に活用された。センター試験の志願者は1.2%増えたが、国公立大志願者が減っていることを考えると、私立大志望の受験生が多く受けていたと見られる。

2つめは今年も“文高理低”の学部志望動向となったことだ。文系学部は私立大に多く設置されている。たとえば、経済学部(昼間部)は国公立大学に31校設置されているのに対し、私立大には91校にある。経営学部は国立大では横浜国立大学と神戸大学の2校、公立大をあわせても5校だが、私立大では79校に設置されている。社会学部は国立大の一橋大学にしかないが、私立大には20校に設置されている。今年も社会科学系の学部の人気が高かったが、私立大のほうに数多く設けられていることもあり、志願者増に拍車をかけた。

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  • NO NAME75bad6ae5f06
    「小規模だが」って最初から大規模を良しとしている言い回しなんですが、それってどうなんでしょうか?
    しかも小規模の定義はなく先生の感覚でって…よくもまぁそんなものを会社としてランキングにしてお金儲けができますね…
    up45
    down4
    2018/4/6 07:37
  • ごんた60c15cdac599
    入学定員4,000人=学生定員16,000人を小規模大学の範疇に入れては、集計の意味がないでしょう。しかも高校の先生方の人気投票のようなもので、残念がなら、ほとんど意味のない記事。大手有力私学が入学者を絞った結果、何が起きているのかも論じられていないし。
    up29
    down1
    2018/4/6 08:21
  • NO NAMEbd0613f27480
    ICUや一橋を入れられても・・・・
    up20
    down1
    2018/4/6 10:24
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