たけし独立騒動、映画界にも波紋 伝統の映画祭「東京フィルメックス」開催ピンチ
タレント、ビートたけし(71)の「オフィス北野」独立騒動が、映画界にも波紋を広げている。日本有数の映画祭「東京フィルメックス」の開催危機がささやかれているのだ。運営にはオフィス北野がかかわっているが、スタッフの大量離脱が始まり会社の存続すら危ぶまれる中、アジアの才能を発掘する映画祭も風前の灯火なのか。
ダンカン(59)らたけし軍団4人が1日に投稿したブログでは、森昌行社長(65)への批判にとどまらず、傘下の映画関連事業「フィルメックス」に対し、年間4000万円超の人件費負担と、長年の赤字経営が容認できないとも指摘しているのだ。
フィルメックスは、アジアの独創的な作品を発掘するため、2000年から始まった映画祭で、毎年11月に開催されている。オフィス北野は運営で参加しており、森社長は2015年の第16回から実行委員会の理事長に就任している。
「東京国際映画祭よりも、アート色や作家性が強い作品が選ばれており、やはりたけしさんの影響が強い映画祭。“世界のキタノ”の名前があるから海外からの応募も増えていました」と映画関係者。
さらに「映画祭を開催するには小規模であっても1000万円近くかかる。フィルメックスが続いてきたのも、たけしさんが節税対策でやっている文化事業だからとみられていた。しかし、たけしさんが今後関与するか微妙になったことで、映画関係者の間ではフィルメックスは中止されるのではないかとささやかれています」とこの映画関係者は見通す。
実際、映画祭の事務局はオフィス北野が行っているが、同社の状況について、「4月中にはマネジャーはほぼ全員退社するようです。その他のスタッフも次々とやめており、業務の引き継ぎさえ滞っているのが実情のようです」と芸能プロダクション関係者。
オフィス北野自体の運営すら危ぶまれている状況下で、映画祭の運営はかなり厳しいものとみられる。そんな中、ある映画関係者は振り返る。
「今年2月に行われた東京スポーツ映画大賞の授賞式で、たけしさんは『自分が死ぬまでこの映画賞は続けたい』と言っており、なんでそんなことを言うのかと思っていたが、あの時点で、フィルメックスのほうはもう長くないかもと思っていたのかもしれない」