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岐阜

ガッタンゴー「渓谷コース」開業 神岡で21日

3月下旬の試乗会で、自然豊かな「渓谷コース」を走る参加者=飛騨市神岡町東漆山で

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 十二年目を迎えた飛騨市神岡町の観光レールマウンテンバイク・ガッタンゴーに二十一日、新しく「渓谷コース」が開業する。三月下旬にあった試乗会に参加し、自然豊かなコースを体験した。

 旧神岡鉄道の漆山駅からスタート。左右に木々が茂る中、木漏れ日を浴びながらしばらく走ると、一気に眺望が開けた。

 第一高原川PC橋というコンクリート橋だ。長さ二百四十六メートルという。橋と交差して高原川が雄大に流れている。右手には山々がせり出し、雪解け水が勢いよく注ぐ。風を切って走るのが心地良い。

 川沿いを進み、一つ目のトンネルへ。四百三十メートルあり、暗い中を走るのは子どもにとってはスリルだろう。

 第二高原川鉄橋にさしかかった。上部の赤い鉄骨が目を引く。水面からの高さは約十五メートル。下をのぞいて高さを実感した。川の水は澄み、深さがあるのか青い。川魚を狙う釣り人の姿も見られた。

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 二つ目のトンネル(二百八十五メートル)を抜け、鳥のさえずりを聞きながら第三高原川PC橋(百十二メートル)を通過すると、折り返し地点の二ツ屋へ着いた。

 ここから漆山駅へ向けて来た線路を戻る。往復で約一時間、事前説明も入れると一時間十五分くらいだろうか。行きが上り、帰りが下りというが、高低差はそれほど感じられず、自転車は電動アシスト付きなのですいすいとこげたのも良かった。

 「渓谷コースはガッタンゴーを始めた頃からの夢でした」。運営するNPO法人事務局の田口由加子さんは語る。高原川沿いは景色の良さで知られていたが、安全面などでハードルがあり、長く実現しなかった。

 しかし、従来の神岡町中心部を通る「まちなかコース」が年間四万人が乗るまでになったこともあり、市も支援に乗り出し、渓谷コース沿いに落石防護柵などを設置。安全対策を施した。NPO法人も転落防止のため「安全ベルト」という腰に巻いたロープを自転車のフレームに付けるなど工夫した。

 夏は木々が織り成す緑のトンネル、秋は一面の紅葉が見られるという。田口さんは「絶景を楽しんでほしい。高所恐怖症の人には絶叫かもしれませんね」とニヤリ。雄大な自然に心洗われる。季節によって自然の表情が変わるのは「まちなかコース」とはまた違った魅力だろう。このコースは人気が出そうだ。

 (浜崎陽介)

 

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