(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年4月2日付)
ナレンドラ・モディ氏は2014年、インド首相の座を目指して出馬したとき、インド国民に1つ、単純な約束をした。
もし自分に投票してくれたら、豊かな良い時代が訪れるのを確信してもらっていい、という約束だ。
それから4年経ち、モディ氏が再選を目指して選挙に臨むまで12カ月あまりとなった今、約束が果たされたように見えるかもしれない。
この1年で大きく揺らいだ後、インドは年間7.2%のペースで成長しており、世界一の速さで成長する経済大国になっているからだ。
だが実際問題としては、インドは急激に人口が増加する国民のために新しい仕事を十分に提供できるほどには急成長していない。
また、世界銀行の最近の計算によると、もしインドが高中所得国になりたいのであれば、今後30年間にわたって毎年達成しなければならない8%成長にも届いていない。
世界銀行の調査結果が示しているのは、もしモディ氏が良い時代を実現したいのであれば、ほぼ前代未聞の持続的な高度成長期が必要だということだ。