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石川

テグスでカラス撃退 ナイロン製の糸 “ふん害”に効果

建物の屋上でテグスを張る業者=金沢市大手町で

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市「取り組み」広めたい

 観光地周辺でのカラスの“ふん害”を防ごうと、金沢市が実験としてナイロン製の糸「テグス」を張っていた同市大手町周辺の建物や樹木で、設置中から撤去後約一カ月の間でカラスの姿がほぼゼロになる効果がみられた。市は実験結果を踏まえ、今後はふん害対策を模索する町会や事業者を対象に説明会を開き、有効な対策をアドバイスする。(太田理英子)

 市環境政策課によると、金沢城公園にはカラスのねぐらがあり、毎年秋から冬にかけて、夕方になると市内外から一斉にカラスが周辺に集まっている。そのため、周辺ではたびたび住民などからふん害の苦情が寄せられていた。

 カラスは樹木などに止まる際に足に物が触れるのを嫌い、一度接触した場所を避けるという。そこで同課は昨年十一月中旬から、金沢城公園北側のお堀通り沿いの建物五棟とマツとサクラ計五本でテグスを使った実験を開始。建物では今年一月末まで屋上のてすりなどに設置、樹木には二月上旬まで上部から放射線状に張り巡らせた。

 同課は、週一、二回ペースで実験対象に止まるカラスの数を確認。建物では、実験前の十月中は最大計千羽近くが集まる日もあったが、十二月ごろからゼロ羽の日が増え、撤去後は二月末まで一羽も見られなかった。実験前は一日で四十~五十羽の姿があった樹木では、十二月中に一日だけ六羽が現れたものの、設置から撤去後の二月末にかけてゼロ羽が続いた。

 市は二〇一五、一六両年度にも兼六園周辺で同様の実験を実施して効果がみられたが、今回は以前に増してゼロ羽の日が続き、同課の担当者は「かなり良い結果」と驚く。今回の実験で、これまでねぐらへの入り口になっていた地点での追い払いができ、カラスは別ルートで公園へ入るようになったとみられる。

 実験でテグスによる被害防止の有効性が確認できたものの、市が毎年単独で実施するのは範囲の広さと予算の面で難しいという。同課担当者は「一緒に取り組んでくれる町会や企業を広げていくことが必要」。今後、要望がある場所で対策説明会を開くという。

 市は秋から、カラスが嫌う低周波を流す機器での追い払い実験にも着手する。

 

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