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KDDI(au)は2018年4月5日、4月1日付で社長に就任した高橋誠社長の就任記者会見を開いた。高橋社長は通信事業をはじめ、金融や電力などライフデザイン事業についての方針などを話した。
「通信からライフデザインへのシフトではなく、通信とライフデザインの融合を目指す」と高橋社長は話す。通信事業を軸に顧客のデータを集め、顧客理解や顧客体験を高めるためにビッグデータを活用してライフデザインのサービス充実につなげる。ライフデザインとは、同社が力を入れる金融や電力、Eコマース、教育などの新規事業分野だ。「ワクワクを提案し続ける会社でありたい」と強調した。
通信事業については、「格安スマホ」を提供するMVNO(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者)の台頭による顧客の流出を一番の脅威と見ているという。ただ、MVNO対抗で投入した新料金プラン「auピタットプラン/フラットプラン」の契約数が2018年3月末に650万件を超え700万件に迫る勢いで伸びており、解約率の低下や顧客の流出抑止につながっている。現状では「いい傾向」(高橋社長)とする。通信やメッセージングサービスなどの分野におけるNTTドコモやソフトバンクとの関係について問われると、「基本的には(NTTドコモとソフトバンクは)競合だが、分野によっては競争の形が変わってきていると感じる。大手3社で協力できる部分については協力していく」(同)とした。
同日、IoT(インターネット・オブ・シングズ)や5G(第5世代移動通信システム)などの分野でパートナー企業と新規事業を共創するための拠点「KDDI DIGITAL GATE」を東京・虎ノ門に2018年夏に開設するとも発表した。「IoTラボは様々な企業が開設しているが、ディスカッションやショースペースにとどまるものが多い。KDDI DIGITAL GATEはIoTのリーディングカンパニーであるソラコムなどの企業が参加し企業の成長に貢献する」(高橋社長)。KDDI DIGITAL GATEにはソラコムだけでなく、データ分析や人工知能(AI)事業を手掛けるARISE analytics(アライズ アナリティクス)、世界でのAWS導入実績を持つアイレットなども参加する。