今日からエンジニアになる皆さんへ

私は高校1年生から趣味のプログラムを始め、今年でちょうど20年になりました。
また仕事としてエンジニアを始めてから16年になります。
今日は入社式だった方もたくさんいらっしゃると思いますので、これまでの経験を元に、社会人1年生の皆さんに向けたアドバイスをまとめました。
※技術的な話題にはあまり触れずライトにまとめてます。

健康に気をつけて

社会人になると、ほとんどの人は1日の大半を会社で過ごす事になります。
1日8時間/週5日勤務と仮定すると、平均的な年間労働時間は2,085時間/260日です。
※会社によりますが年間労働日数は約230~260日程度です。
実際には多少なりと残業をするでしょうから、更に増える可能性があります。
これだけの時間を仕事に費やす訳ですから、毎日相当な疲労を感じるはずです。
まずは自分が健康でいる事を一番に考え、怪我や病気には充分気をつけてください。
もし体調が悪い場合は勇気をもって早めに休み、早く治して、最高のパフォーマンスを出せるように気をつけましょう。
ほとんどの会社では、休むことは悪ではありません。
(悪だと思われる会社だった場合には、早めに見切りをつける方が良いですよ)
自分が休む際には誰かが頑張ってカバーしてくれる訳ですから、周囲に感謝し、互いに助け合いましょう。

また、あなたの体にとって睡眠時間や休息は何よりも大切です。
無理をしすぎず、夜更かししすぎず、充分に睡眠をとるようにしましょう。
休みの日だからってはしゃぎすぎるのにも注意しましょう。
飲み過ぎもほどほどにね。

潰されないで

社会人になると、会社や上司から日々理不尽な事をたくさん言われるはずです。
もちろんそれらが正しい場合もありますが、そうでないと感じる事もたくさんあると思います。
そういう場合には、会社や上司から言われた事を冷静になって考えてみましょう。
会社や上司の言動が明らかに間違っている場合もあります。
一方の正義だけでは語れないような問題や、うんざりする社内政治もたくさんあります。
そんな難しい状況に、あなた一人で悩み、苦しみ、哀しみ、そして潰されたりしないで。
あなたの周りには、家族・友人・同僚・他の上司・他にもたくさん人がいます。
あなたが辛いと感じた時は、早めに、絶対に、誰かに相談してください。

焦らないで

エンジニアは「スキルパス」を長期的な視点で考え、キャリアを積み重ねていくのが良いとよく言われます。
でも社会人になったばかりでそんなの考えられるわけないですよね。
あなたがやりたいことは何か、それを見つけるための試行錯誤を始めたばかりです。
答えを焦らないでください。
良い会社に恵まれていればあなたにまず「やるべきこと」を提示してくれるはずです。
研修やOJTの中で「できること」を増やしていってください。
いくつか学んだらきっと自分の立ち位置やなりたい像がわかってきます。
自分がどういう技術を好み、どんな仕事の進め方をし、何に興味があるのか、何に強みがあるのか、何が弱いのか、半年なり1年に1回問いかければいいんです。
問いかけ続けるともしかしたら毎年少しずつ目標が変わって、回り道が増えるかもしれませんが、それが人生ですよ。
エンジニアにとってホットな技術は毎年変わりますから。

勉強会に参加してみよう

巷で人気のIT企業の多くが、技術勉強会を実施されています。
自分の興味あるテーマがあれば、仕事終わりに進んで参加してみましょう。
色んな知識はあなたの知的好奇心を刺激します。
また、あなたが本当にやりたい未来を見つけられる可能性もあります。
あまり張り切って無理しすぎないよう、年に数回程度は新技術キャッチアップとして参加できると良いですね。

ただ、技術勉強会に行くと、自身の状況とギャップを感じるかもしれません。
「自分ってスピーカーの人と似た年齢なのに知識が劣っている」と悩むかもしれません。
でもね、隣の畑は常に青く見えます。
そう感じてしまった場合は、自分もどうにかして勉強を始めればいいんです。
もし自社で勉強会をやってないのであれば、自分で主催してみるのも面白いですよ。

エンジニアに人気の勉強会サイトに以下のようなものがあります。
※勉強会はほとんどが無料で、平日夜19:30-22:00ごろを目安に開催されています。

仕事を好きになれない人もいる

エンジニアという職種は、継続的な学習が必要な特殊な仕事だと私は思います。
生きていく上でお金(収入)は必要ですから、ほとんどの人は仕事は必要不可欠といえます。
でも仕事を続ける為の学習時間をわざわざ余暇から払いたくないというのが恐らく大多数の本音ですよね。
仕事は本来お金を得るためのものですから、そこにどれだけ情熱を注げるでしょうか。
残念ながらこの仕事が好きになれず、仕方なく続けている人がたくさんいます。
また一方で、エンジニアリングが大好きで、趣味でもプログラムするという人もたくさんいます。
仕事との向き合い方、エンジニアリングとの向き合い方は人それぞれです。
同僚や先輩にも「プログラムが嫌い」って公言する人がいるかもしれません。
あなたがもし心から仕事を好きになれなくても仕方ないことで、無理をしなくても大丈夫。
本当に仕事を好きでやってる人はごく一部しかいません。
ただ、嫌々で続けるよりは、少しでも「やってもいいかな?」って思う仕事をするのが一番ですよね。
毎日に感動がなくても、きっと楽しいと思える瞬間はたくさん訪れます。
あなたが作りあげたものによって誰かから感謝され、きっとそれがモチベーションになります。
あなたにとってエンジニアリングがそういう仕事であることを祈ってます。

希望が通らなくても諦めないで

あなたが研修を終えた後、配属先が会社によって決められ、もしかしたら自分が望まない部署や職種である可能性があります。
もしそうなっても、落胆しなくて諦めないで。
まずは与えられた職種を頑張れば、楽しいと思えるかもしれないですよ。
また、そのポジションで活躍できれば、希望する職種に異動できる機会はきっと近い未来にやってきます。
5年・10年後も同じ部署、同じ役割で仕事している可能性は少ないでしょう。
だから1~2年っていう短い期間で諦めたりしないで。
あなたが上司や人事に対して評価面談を受ける機会は何回かあるはずです。
その他にも、希望する部門のメンバーとご飯にいったり、立ち話をする機会もたくさんあります。
配属先にギャップがあっても、あなたが望み続ければ、きっといつか実現できます。

自分のエンジニア道を見つけよう

エンジニアはプログラムを書くだけが仕事ではありません。
会社という組織がお金を稼ぐためにビジネスがあり、ITはビジネスを動かす為の原動力です。
大きな視点で仕事を見つめ、自分はどのように関われるんだろうって考えてみてください。
プログラムを書かなくても解決できる問題もたくさんあります。
あなたができるちょっとした改善で、何百時間も周囲の作業短縮につながる事もあります。
流行のプログラム言語・OSS・仕組みに目を向けることも重要ですが、自分の知識を使ってしっかり「業務上の問題解決に繋がる仕事」を忘れないように頑張ってください。
あなたなりの「ビジネスへの関わり方」「会社への関わり方」を何年かかけて見つけてみましょう。

アウトプットしてみよう

あなたが仕事になれてきたら、身につけた技術を少しずつアウトプットしてみましょう。
Qiitanote、技術ブログ、勉強会など、アウトプットできる場はたくさんあります。
あなたが身につけた知識やノウハウは、アウトプットによって減るものではありません。
むしろあなたが自身の技術力を提示すれば、絶対にあなたの価値向上(認知向上)に繋がります。
もし興味があるなら、少しずつでいいから記事を書いてみるクセを早めにつけましょう。

その他の心得

他の方が書かれている新人向けアドバイスでいいなと思ったものをまとめました。

最後に、無理しないで

私は、様々な事情によってうつを発症し、過去に約1年間休職しました。
こういった病気や不測の事態は誰にでも起こりうるものです。
一度壊れてしまった体や心はそう簡単には戻りませんし、復帰できるまで険しい道のりで相当な辛さを伴います。
繰り返しになりますが、あなたがもし仕事で辛いと感じる事があれば、身近な誰かに相談してください。
それが難しければ、「労働相談情報センター」といった相談できる機関が存在します。
あなたにとって一番大切なもの、それはあなた自身です。

この記事を読んで頂いた皆さんが、ワクワクの詰まったエンジニア人生を歩める事を祈ります。

106contribution

こんにちは!記事拝読しました。
アウトプットしてみようの部分で使い分けがどうなっているのか気になったので、質問です。
自分の中では、

Qiita → 技術的なこと
Note → Life work的なこと

blogはどういうポジションに置くのがいいのか悩んでいます。筆者さんはどのように使い分けをなされているかお伺いしたいです。

207contribution

@4geru こんにちは。

個人的には、Qiitaは技術的な内容でまとめられるネタ、Noteはもっとライトに書けるネタ、みたいな感じで使い分けようと思ってます。(Noteまだ始めたばっかりですが)
例えばエンジニアの目線だと、勉強会参加してみたとか、スカウトメールまじうざいとか、日常に起こる中でQiitaには書かなさそうな事をそっちにすればいいかなって。
ブログは更新モチベーションを維持するのが本当に難しくて、QiitaやNoteなど雑多にすべての記事が横断されるようなメディアを使うのがより読まれるしアウトプットとしては続けやすいですね。

私はいま個人で技術ブログを継続できていませんが、もし始めるなら「セルフブランディング」の一環にすると思います。
ブログは自身のエンジニアとしての歴史や価値観を一貫して提示できるので、対外的価値を上げ、より自身のポジションを上げる事につなげたいですね。
ただ読まれる量で考えると(大多数の人は)Qiitaで書く方が多いはずです。
ブログをもし検討されているなら、誰に読んでもらいたいか、どんな目的で読んでもらいたいか、考えてみるとよいかもしれません。

あと、技術的なアウトプットという意味だと、少し毛色は変わりますが「teratail」も定期的に覗くようにしています。

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