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400Gの次はどうなる?
では400Gビットイーサネットの次はどうなるのだろうか。
業界団体であるイーサネットアライアンス(Ethernet Alliance)は、2018年3月に最新のロードマップ「Ethernet Roadmap 2018」を公開した。それによると400Gビット/秒の次の速度として、800Gビット/秒と1.6Tビット/秒を挙げている。いずれも2020年以降に実現するとしている。
イーサネットアライアンスが公表しているロードマップはあくまで目安を示しているもので、強制力があるわけではない。実際の規格策定の場であるIEEEでは、400Gビット/秒より先の規格については、具体的な実現手法はまだ議論されていないという。
だが新しい動きも見えつつある。現在、100Gビットイーサネットの伝送距離を現在の40kmから80kmに延長するための議論がIEEEのスタディーグループで行われている。同グループでは、80kmの伝送は従来のOOKでは難しく、デジタルコヒーレント技術が必要ではないか、との提案がなされているという。
伝送距離の延長と同様に、伝送速度を上げると信号の受信感度が落ちてしまう。となると、800Gビットイーサネットや1.6Tビットイーサネットにもデジタルコヒーレント技術を採用すべきだとの提案が出されるかもしれない。
一方で、低コストのメリットを生かせるOOK/IM-DDで長距離・高速化を実現する研究も進められている。「符号化技術や信号処理技術などを適用することで、送受信器の構成や光デバイスへのインパクトを最小限にし、コストメリットを維持した形で性能向上を実現するアプローチが検討されている」(山本 主任研究員)。
例えば、つい最近の2018年3月に開催された世界最大規模の光通信関連の学会・展示会の「2018 Optical Networking and Communication Conference & Exhibition」(OFC 2018)では、こうしたアプローチの学会発表が多数あったという。
今なお年率20〜30%で成長を続けるインターネットのトラフィック。400Gビットイーサネットでもすぐに帯域が足りなくなるだろう。イーサネットをどこまで速くできるのか、これからも注視していきたい。