上野動物園の還暦モノレール人気健在、シャンシャン効果

社会
2018/4/3 10:04
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 東京都台東区の上野動物園内を走る日本最古のモノレールが開業60年を過ぎてなお、年間100万人超が利用する人気だ。ジャイアントパンダの子ども、シャンシャンの公開が始まった効果で乗客は増えており、半世紀前のパンダ来日のブーム再来に関係者は期待を寄せている。

東京・上野動物園内を走るモノレール(2月)=共同

 区道をまたいで東園と西園を1分半で結ぶ。1957年12月、路面電車に代わる交通機関を検討していた都が、ドイツを参考に実験線として開業した。

 日本では現在、都心と羽田空港を結ぶ路線や、東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)などで10事業者がモノレールを運行しているが、上野の営業距離300メートルは最も短い。

 料金は大人(中学生以上)が150円、子ども80円と20年以上変わらない。歩いても5分程度の距離のため、移動手段というより遊具感覚で乗る親子連れらが多いが、鉄道事業法に基づくれっきとした交通機関だ。

 2016年度の乗客は約102万人で、来園者の4分の1が利用した。シャンシャンの公開は17年12月に抽選式で始まり、先着順になった今年2月は乗客数が昨年同時期より3割増えた。

 運行を担うのは、都営地下鉄の運転士を経験した都交通局のOBだ。地下鉄の免許があれば運転でき、研修を経て実務に就いている。

 現駅長の永田一秀さん(62)も元運転士で「運転台と客席との間に仕切りがないため距離が近く、運転中にお客さまから声を掛けられることも多い」と魅力を語る。

 過去に乗客が最も多かったのは、中国からパンダ「カンカン」と「ランラン」がやって来た1972年の翌年度で約153万人。シャンシャン人気が続く18年度はこれに迫るか、超えるか。永田駅長は「これからも愛される乗り物であり続けたい」とほほ笑んだ。〔共同〕

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