【NQNニューヨーク=戸部実華】4日の米株式相場は続伸した。ダウ工業株30種平均は前日比230ドル94セント(1.0%)高の2万4264ドル30セントで終えた。中国政府が4日に106品目の米国産品に報復関税をかけると発表した。米中貿易摩擦への懸念から売りが先行したが、午後に入ると米政権が新たな措置は検討していないと伝わった。摩擦回避に向けた米中交渉が進むとの思惑から買いが優勢になり、相場は引けにかけて持ち直した。
中国の報復関税の発表を受け、午前は中国売上比率が高い銘柄を中心に売りが先行した。同国の受注残が多い航空機のボーイングの下げが目立ち、ダウ平均は寄り付き直後に500ドル超下げる場面があった。
ただ、午後になって米政権は中国に対する新たな措置は現時点で検討していないと伝わった。北米自由貿易協定(NAFTA)の交渉でも前向きに対応すると報じられ、貿易摩擦の過度な警戒感が和らいだ。米政権は関係国との交渉を続けるとの楽観的な見方が広がり、株買いを促した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比100.825ポイント(1.5%)高の7042.107で終えた。アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどの主力株が買われて相場を支えた。
業種別S&P500種株価指数(全11業種)では「一般消費財・サービス」「生活必需品」「ヘルスケア」など10業種が上昇した。一方「エネルギー」は下落した。
市場予想を上回る四半期決算を発表した住宅建設のレナーは大幅高だった。メディア大手CBSによる買収提案を拒否したと伝わったバイアコムも買いが優勢だった。ダウ平均銘柄ではマイクロソフト、IBM、ナイキなどが買われた。
一方、利用者情報の流用問題を巡り、アナリストによる目標株価の引き下げが伝わったフェイスブックは売りが優勢だった。中国の関税を警戒した売りで農機・建機のディアも下げた。
ダウ平均銘柄ではボーイングに加え、石油のシェブロンとエクソンモービルが下げた。