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「金魚電話ボックス」撤去へ 金魚の町の名物なのに…なぜ?

04/04 19:07

地元の人からは惜しむ声も

金魚の町で知られる奈良県大和郡山市で、名物の「金魚が泳ぐ電話ボックス」が撤去されることになりました。
いったい何が?

【美術家・山本伸樹さん】
「それがまるでオリジナルで僕の作品が偽物のような事態は、私自身は容認できないので・・・」

福島県いわき市の美術家・山本伸樹さん(62)。わざわざ会見まで開き、憤る気持ちを訴えた理由が…

【坂元龍斗キャスター】
「大和郡山市内の商店街の一角に、ガソリンスタンドだった場所をカフェにしているところがあるんですが、金魚が泳いでいる電話ボックスが設置してあります。20匹ほどの金魚が泳いでいますね。しっかりと電話も設置されていて、受話器が浮いています。一部さびていて古くなっていますが、反対に良い味を出していてインパクトがあります」

中で金魚が優雅に泳ぐ、この電話ボックス型の水槽。
金魚の日本三大生産地として知られる奈良県大和郡山市の「柳町商店街」に設置されています。
もともと2011年に京都造形芸術大学の学生グループが制作したもので、大阪府の芸術振興事業イベントで展示されたこともあります。
この作品は翌年解体されましたが、その後、電話ボックスを譲り受けた大和郡山市の金魚の愛好会が同様のものを5年前から柳町商店街に設置。
「金魚の町」のシンボルとして、地元の人や観光客の人気を集めていました。

【観光客】
「びっくりしました。こういう状態だとは思わなくて。発想がすごいなと」
「郡山って金魚の町ですから、こういうところに金魚がいてもおかしくないと思います」

しかし、このシンボルが突然撤去されることに。そのワケとは…

【山本伸樹さん】「とても悲しいですよね」

山本さんは1998年に東京の美術展で「メッセージ」と題した作品を発表。
新聞や雑誌などでも取り上げられたその作品と「商店街の金魚電話ボックス」が似ているというのです。

【山本伸樹さん】
「僕の作品とはっきり言って同じなのに、僕の作品じゃない形で独り歩きし始めていて。とにかく『僕のオリジナル』だと認めてほしい」

こう考える山本さんは商店街との話し合いの中で、自ら費用を負担しデザインを修正して金魚の電話ボックスを山本さんの著作物として再設置するよう提案。

【山本伸樹さん】
「実際管理している方と商店街の代表の方と一旦は合意したんですよ。『著作権も認めます』と。暫定的にその内容を(張り紙で)こちらに張っていただいていた」

しかし、商店街側は…

【商店街側の回答書】「金魚電話ボックスが貴殿の著作権を侵害しているとは認識しておりません」

いま設置されているものに「作品性はない」と主張する商店街側と決裂。
この状況に嫌気もさしたのか、今度は商店街側が来週以降に金魚の電話ボックス自体を撤去すると言い出したのです。
町のシンボルがなくなることを知った地元の人たちは…

【地元の人】
「非常に寂しいですね。観光で来られた人は『電話ボックスどこにある』と80~90%が聞きますね」
「(金魚電話ボックスは)ある方がありがたいな。人が通ってくれるもん。人が動いてくれたら、町がちょっとでも賑やかになりますし」

山本さんは著作権侵害で商店街側に損害賠償を請求する方針を固めました。

【山本伸樹さん】
「僕の立場を明確に、誤解されないためには、あらゆることを明確にせざるをえない。そういうふうに追い込んだのは、商店街の今回の結論だったと僕は認識しています」

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