平日に休暇を満喫、システム障害も問題無し
一人で200台のサーバーを抱えることになったが、IT部門の消滅により意味の無い打ち合せや形骸化した作業から解放され、本当にやるべきことに集中できるようになった。残業も多く孤立感はあったが、エンジニアとしては快適な環境だった。
コントロールが難しい部下が増えるより、文句も言わず命令を忠実に実行してくれるコンピュータのほうが役に立つ(図1)。近い将来、多くの仕事が人工知能(AI)やロボットに置き換わることで省力化が実現すると指摘されているが、至って普通の発想である。ただし、忙しかったはずの仕事が急に無くなる人も多数出てくるかもしれない。自分が要らない存在にならないように、今から精進しておきたいものだ。
いろんな都合でサーバーやシステムの平日停止は難しく、休出が多くなる時期もあった。しかし、それはそれで良いこともある。休出しても代休がきちんととれたからだ。ちょうど子供が小さかったこともあり、たまった代休を使って平日に旅行に行けば、道路やホテル、観光施設も空いていて費用も安く済むのだ。家族も家計も大満足だ。休日仕事は割り込みも無いので仕事がはかどる。そう考えることで休日出勤でも気持ち良く仕事ができた。
唯一の心配は、平日に自分がいないときにトラブルが起きることである。自宅なら対応手段は整えてあるが、旅行中はそうもいかない(できなくはないが)。しかし、それも想定内のことである。全システムの面倒を見続けたことで、症状を聞けば、だいたいのトラブルの原因や対処方法が特定できるようになっていた。そんな時のために、最低限の対処方法を手順としてまとめてある。
事故は確率の問題でしかない。起きるときは起きるし、起きないときは起きない。翌日の対応でもよい、ちょっとしたトラブルの確率は高いが、急を要する事態になる確率は低い。自分が旅行中にそれが発生する確率は更に低いのだ。
しかしゼロではない。さすがに海の上にいるときに電話がかかってきたときは困ったが、想定の範囲だったので大事には至らなかった。日本の防水ケータイのありがたさと、そんな海の上でも電波が通じることに感心した記憶がある。