家計予算と同じように「社交」の予算も立てましょう
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社会生活がコントロールできなくなってます?
たとえば、毎晩予定が入っていて、本当は家でゆっくりしたい日があっても、無理やり出掛けているのかもしれません。あるいは、それほど親しくない人の対応ばかりをして、本当に親しい友人と過ごす時間が持てなくなっているのかもしれません。義理の親があなたと毎週日曜日にディナーを一緒にしたがるので、仕方がなく付き合っているのかもしれません。
あなたもそんな風に感じているなら、社会生活の予算を立てるべきです。家計の予算と同じように、社会生活の予算を立てることで、しなければならない活動と、自由裁量の活動を明確にし、自分の価値観や目標に合った時間の過ごし方ができるようになります。
また、現状の社会生活に満足している人も、社会生活の予算を立てることで、退屈で無価値なイベントで浪費する時間を減らし、大切な人たちと過ごす時間を増やすことができるようになります。
家計の予算を立てるように社会生活の予算を立てる
家計の予算を立てたことがあれば、社会生活の予算を立てる方法は理解していることになります。ただ、MintやYNABといった家計管理ツールのかわりに、カレンダーを使います。
社会生活の予算は、何カ月も先まで立ててもいいし、簡単にするために次の1カ月分だけを立ててもかまいません。予算の立て方の基礎を理解したら、もっと先まで対象範囲を広げてもいいでしょう。
まず最初に、すでに決まっている予定、定期的に入る予定をスケジュールに記入する必要があります。スピンクラス、子どものサッカーの試合、教会、即興芝居、義理の親とのディナーなど、参加すると返事をした行事や予定があるはずです。同じく、定例で決まっている予定もカレンダーに記入します(すでにカレンダーに記載してあるかもしれません)。
こうした定例で参加することになっている予定は、家計の予算における、家賃や住宅ローン、光熱費、車の維持費など、毎月かかる間接費のようなものだと考えてください。定例の予定とは、すでにあなたが自分の「時間」を支払うと約束している事項です。こうした予定を1カ所に集めることで、全体でどのくらいの時間を使っているのかが把握できます。
この作業をすると、自由になる時間がどれくらい残されているかもわかります。残された時間がわかったら、自由裁量の予定について検討を始めてください。
自由裁量の予定とは、会社の飲み会、友人とのブランチ、子どもを遊びに連れて行く、母親と買い物に出かけるなど、ケースバイケースで参加の可否を決められる社交行事のことです。すでに次の1カ月の自由裁量予定がたくさん入っていると思いますので、まだカレンダーに記入していなければ、忘れずに入れておいてください。
さて、ここでカレンダーを眺めてみましょう。スケジュールを見て何を感じますか? 予定の入ってない夜や週末はどれくらいありますか? 参加を予定している社交行事にどれくらいの楽しみや興奮を感じますか?
財務予算を立てる時は、まず、すべての支出を1カ所に集めて眺めてみることから始めます。どの予算を削って、どの予算を増やすのかを決める前に、何にどれだけのお金を使っているのか、現状をしっかりと把握することが大切です。社会生活の予算についても同じことが言えます。現状、自分が何にどれだけの時間を使っているのかを把握することが重要です。
実践的には、社会生活予算を調整する前に、1カ月間、自分が時間をどう使うのか、ただ観察してみるのも良い方法です。今月、誰かから家族ぐるみで夕食に行かないかと誘われたら、あなたはイエスと言うでしょうか? 旧友が街に帰ってくると連絡があったとき、お茶をする時間をつくれるでしょうか? 自分のために時間を使うために、すでにある予定のどれかをキャンセルすることはできるでしょうか?
自分がどのように時間を使っているかをしっかりと把握できたら、家計の予算と同じように、予算の調整を始めることができます。
価値観・目標に合わせ社会生活予算を割り当てる
予算を立てるとは、生活上の必要、価値観、目標について考えることでもあります。家賃、学生ローンの返済、食費、養育費など、生活上、どうしても支出しなければならない費用があります。
一方、地元の書店を支援するなど、自分の価値観にもとづいてお金を使うこともあります。また、就職活動用の服を買う、講座を受講するなど、目標のためにお金を使うこともあります。
社会生活の予算も同じです。
自由時間を取り戻すには、定例の行事を1つ削除してみるのが、最も有効な方法です(頻度を減らすだけでもよいでしょう)。とはいえ、それは最も難しいことでもあります。ゲームサークルの仲間に、週末定例の6時間ゲームマラソンに参加できなくなると伝えなけれなならないし、子どもたちに課外活動を減らしてくれるように頼まなければなりません…。義理の母親には、夕食会は月2回までしか参加できないと言わなければならないでしょう。
これは決して簡単なことではありません。できれば先延ばししたくなるはずです。しかし、携帯会社に電話して、料金が安いプランに変更すると伝えるのと同じように、やり遂げてしまえば、すっきりした気分を味わえることは間違いありません。
定例行事の調整が済んだら、残りの時間は自分の価値観や目標に合うように使うことができます。両親をどのくらいの頻度で訪ねたいですか? カレンダーにスケジュールしてください。親しい友人とはいつ会いますか? 遠距離の友人と隔週で電話をしたい? 地元の仲間と隔月でブランチをする? もっとも、こうしたことをプランするには相手の都合も聞く必要があるでしょう。みんな忙しいですからね!
長期目標も忘れてはいけません。新しい仕事のスキルを身につける、小説を書く、パートナーを見つける、外国語を習得する…。こうした活動のための時間をきちんと確保しておかなければなりません。
また、家族のための時間をスケジュールするときは、家族の価値観や目標について話し合っておく必要があります。週に一度、家族でゲームをしたり、月に一度ハイキングに出掛けたりするのもよいでしょう。子どもたちが宿題に自主的に取り組むように、その時間にだけ親に助けを求められる「相談時間」を設定しておくのもありです。家族のカレンダーがどうあるべきかを話し合ったら、個人のカレンダーに反映しておきましょう。
スケジュールに空きをつくっておくことも大切です。家計の予算を立てるときも、少し余裕を持たせて貯金に回せるようにするのが常套です。社会生活の予算を立てるときにも、同じように自由になる時間をつくっておきましょう。最終的には何か予定が入るかもしれないし、入らなければゆったりした夜を過ごせばいいのです。
社会生活支出はリアルタイムで調節するもの
事前に予算を立てていても、ちょっとしたことで簡単に予算を超過してしまうのは、誰もが経験していることだと思います。たった1人の友人から予定外に夕食に誘われただけで、その月の外食予算を超えてしまうかもしれません。同じように、社会生活の予算についても、誰かから誘いがあっただけで予算超過になることがあります。
つまり、予算を立てた後でも、リアルタイムで評価と調整を行う必要があるということです。この誘いにイエスと言う? この誘いは自分の価値観や目標に合致する? 「収支を合わせる」ためにほかの行事をキャンセルする? それとも自由時間を削る?
その点、イベントを「交換」するのは比較的楽な方法です。いつもランチを一緒に食べている友人が、ペディキュアをしにに行かないかと誘ってきたら、「今週はランチのかわりにそっちに行こう」と提案することができます。義理の母親と月に2回ディナーをしているなら、そのうちの1回を使って子どもの誕生パーティーをしてもかまいません。人生はバランスです。社会生活の予算をうまくバランスさせ、重要な人間関係を維持し、育てるのは、あなた自身の仕事です。
状況に合わせて社会生活の予算を変更することができますが、自分が時間をどう使っているかには常に気付いていてください。家計の予算と同じく、どんなことに時間を使いがちかを理解しておけば、適宜、適切な判断を下すことができます。やがて、自分の価値観により合った形で社会生活の予算を使うことができるようになります。
この作業を続けていけば、いつしかカレンダーを見てもストレスを感じなくなっていることでしょう。予定されている社会生活が、基本的にあなたの望むものになっているからです。
Image: pogonici/Shutterstock.com, Eric Rothermel/Unsplash
Nicole Dieker - Lifehacker US[原文]
訳:伊藤貴之