Photographer: John Taggart/

「前方注意」は株だけにあらず、金融市場全般にざわめき

  • ポールセン氏が広範な市場のストレスを反映する指標を考案
  • 「株式市場からのメッセージだけに注意を向けるべきでない」と同氏

1-3月(第1四半期)に過去2年余りで初めてとなる四半期ベースの下落を経験した後、4月も荒れ模様の展開で始まった株式市場が注目を集めることは不思議ではない。だが、ロイトホルト・ウィーデン・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏によれば、株式だけにとどまらず、他の資産クラスでも今年に入りストレスの兆候が表れている。

  ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌が最も正確な予測を行った市場関係者に選んだこともあるポールセン氏(60)は、各種資産クラスのストレスを広く反映する指標として「マーケッツ・メッセージ・インディケーター」を考案。この指標は過去40年で最も高い水準の一つとなるピークを1月に記録した後、現在は反転しており、さまざまな金融市場で亀裂が生じ始めている兆しを示すと受け止められる。

  ポールセン氏は2日の顧客向けリポートで、「マーケッツ・メッセージ・インディケーターの1月のピークは、一時的なものにすぎないことが恐らく分かるだろう。しかし、今回の警告は、2000年と07年のピークに指標が近づいた時点で発せられた。過去の2回の主要な株式市場のピークにほぼ匹敵するほど、投資家の信頼感と積極性が金融市場全般で顕著となっている様子がうかがえる」と分析した。

  債券市場と比較した株式市場のパフォーマンス、循環株とディフェンシブ銘柄の対比、社債スプレッド、銅と金の価格比、ドル指数という5つの異なるデータポイントに基づいて算出されるマーケッツ・メッセージ・インディケーターは、広範な市場のストレスを反映する指標として考案された。

  ポールセン氏は「少なくとも、株式投資家は株式市場からのメッセージだけに注意を向けるべきでなく、あらゆる金融市場のざわめきを考慮する必要がある。それらの市場は今そろって「前方注意」とささやいている」と指摘した。
  

原題:Paulsen Says ‘Proceed With Caution’ Across Asset Classes (1)(抜粋)

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