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Marilyn Manson ♪「Mechanical Animals」【before the web logged me. No.3/20】

2012年06月29日 03:54

manson-1998-Mechanical-Animals.jpg
【Artist】Marilyn Manson >facebok<
【Title】Mechanical Animals

Rock

前回に続きまして。
映画「The Matrix」のサウンドトラックを通じて新しいバンドを知っていった私ですが、高校三年生らしい(?)、今よりも若い感性はMarilyn Mansonの描き出す世界観、内省的なメッセージに強く影響されていきます。
運良く、当時賑わっていたファンサイトには付属ブックレットよりも手間暇と愛のかかった歌詞対訳&考察がずらりと掲載されており、当時それを読みながら、同じ道に引きずり込んだ友達と共にあれが良いこれが良いと言っていた思い出があります。
「かっこいい」のインパクトで割と忘れかけてたんですが、そう言えば英語の勉強効果を狙っていたんだっけ、と言う事を思い出した私は歌詞と対訳を交互ににらめっこする日々を送り、結果ビミョーだった英語の成績がそれなりにまでアップしました。やったね。今でも時々やたらとポエミーな対訳をしてみたりするのは、明らかにこの頃が原点ですねこれ。
地味な話ですが、彼らの歌詞には、文法としての分かり易さ、存外にシンプルな英語で出来ています。うろ覚えですが、Marilyn Manson氏本人が、読みやすさを意識して作詞をしていたという話を聞いた様な気がします。詩的に過ぎれば難解さに歯止めが効かなくなるものですが、その辺のバランス感覚はバンドにある種のキャッチーさを加えているのかもしれません。尤も、Fワードを始め下品な物言いは言わずもがなですが。
余談ですが上記のファンサイト、ある時にすったもんだがあったらしく歌詞対訳ページが削除になってしまう、と言う事がありました。ちなみにコチラ「Marilyn Manson fansite "THE IRRESPONSIBLES"」です。併せてサイト規模縮小、更新が止まってしまいましたが、当時本当にお世話になったものです。歌詞を読む楽しさ、というものを私はここを通じて学びました。(私が対訳する時に歌詞を直接載せないようにしているのも、ここの削除を見ていたからだったりします。)

そろそろ本題に移りましょうか。
怒りに満ち溢れたモンスターアルバム2nd、「三部作」の、物語の最初に位置し、最も混沌と暗さに満ちた4th、キャバレーやナチズムに触れた、キャッチーかつメタリックな5th。その中で今作は1998年作の3rdアルバム。彼らを有名たらしめる「三部作」の中間に位置し、キャリア上で最もポップなアルバム、という評価が一般的でしょうか。件のサントラに収録の#4「Rock Is Dead」も今作です。
宇宙を連想させるSEとシンセを前面に押し出した、インダストリアル・ロックなサウンド。スローなバラードも目立ち前作の様な憤怒の激しさを期待すると肩透かし・・・とは言っても、辛辣な格言に満ちた歌詞、要所要所で吐き出されるシンプルでエッジの効いたリフは勢い十分。激しさも決して失われてはいません。

ブックレットに載っている歌詞は順番が一見バラバラですが、実際はこれ、2つのコンセプトアルバムが合わさった様な構成になっていて、2つの視点が交錯するように展開していく一枚です。
ひとつは、「Omega and the mechanical animals」と言う架空のバンドによるロックアルバム。刹那的でセンセーショナル、煽りと皮肉を前面に打ち出しています。
もう一方は、ジャケの白いエイリアンみたいなキャラクター「オメガ」を主人公に語られるお話。遠い宇宙から地球に来た彼の疎外感と悲しみに満ちた独白が綴られています。オメガさんは、さっきのバンドのフロントマンでもあります。

「Omega and the mechanical animals」サイドは、ヤクにまみれた曲を始めとして、#4「Rock Is Dead(ロックは死んだ)」#8「I Want To Disappear(消えてしまいたい)」など、シンプルなメッセージが特徴的です。
中でも小気味いいリズムと何処かコケティッシュなシンセサウンドで彩られた#10「New Model No.15」での、生活の全てを建前と愛想で武装し「俺たちは新しいモデルだ」と宣言してのける様は実に皮肉が効いていて、正に“痛快”の一言。#12「Fundamentally Loathsome」でのチープでうらぶれたサウンドも、この架空バンドのフィナーレを飾る物として妙な説得力を持っています。ちなみにハードに盛り上がるアウトロでは失楽園を示唆しており、これはオメガ自身の物語とリンクしている、と思われます。

そしてオメガの物語。
SFの幕開けの様な#1「Great Big White World」で登場する彼。「途方も無く大きく、真っ白な世界」が、どこまでも空虚に拡がっていく一曲。
アンニュイなアルペジオと共に淡々と歌う#5「Disassociative」では「君達の世界が俺の命を削る」「虚空に死ぬ宇宙飛行士」と孤独と疎外を訴え、一方で#7「Posthuman」ではノイジーなリフに乗せて「こいつは神じゃない」「神なんてただの統計学だ」と苦悩たっぷりに叫ぶ。
アルバムの最後を飾るのは、地球最後の日を歌う#13「The Last Day On Earth」と、そして、#7のラストで辛辣に「きらめくものはみんな冷たいの」とつぶやく「コーマ」が再び登場する#14「Coma White」。彼女の空虚な様を嘆きそして救いたいと願う、おそらく、ラブソング。
オメガは死にゆく地球の中で退廃的な生活を送り、そして最後はコーマと共に地球を離れ、宇宙で延々と漂う。そんなストーリーが描かれている様に思います。詩的な映画の様に、印象的なワンフレーズが随所にちりばめられた逸品です。


・・・念のためと言うか断っておきます。上記のストーリーについては前置きで紹介したサイトさんで昔読んだ内容の思い出、個人的解釈を基にして書いています。公式に類する情報や解説は参照していないので(あるかどうかも分かりません)、的外れな部分があれば申し訳ないです。。
“The Dope Show”

彷徨うオメガが宇宙人として捕まり、さらにロックスターとして仕立て上げられるストーリーを描いたPV。

【Track Listing:】
01.Great Big White World
02.The Dope Show
03.Mechanical Animals
04.Rock Is Dead
05.Disassociative
06.Speed of Pain
07.Posthuman

08.I Want to Disappear
09.I Don't Like the Drugs (But the Drugs Like Me)
10.New Model No. 15
11.User Friendly
12.Fundamentally Loathsome

13.Last Day on Earth
14.Coma White


本文で説明した通り、青字の曲赤字の曲でブックレット上は二つに分かれて歌詞が記載されています。

そして余談。
ラスト二曲の退廃的な曲。当時、私はこれを聴きながら漫画「最終兵器彼女」を読んでいました。情景が凄まじく被ります。あとはaikoの曲「キラキラ」。少しこじつけ気味ですが、ちょっとリンクするなぁと思いながら聴いてます。
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