発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第526回目は『Breathedge』を紹介する。
本作は宇宙を舞台にしたサバイバルゲームだ。主人公の乗る遺体輸送用の巨大宇宙船が、未知の宇宙空間で座礁したところから物語は始まる。一命を取りとめた主人公だったが、あたりは船の残骸や棺、遺体がちらばる惨状となった。この苛酷な環境で酸素や食料などを確保しつつ生き延びることが当面の目標となる。プレイヤーを取り巻く環境はシビアだが、ゲームの雰囲気は極めてコミカルだ。ショートしたケーブルにニワトリを突きさして放電を止めたり、噛んだガムでガスパイプの亀裂を塞いだりとユニークな作風に仕上がっている。
宇宙を生き抜くためには、まずは有用な資源や道具、食料などを求めて周囲を探索することになるだろう。宇宙を漂う死体の持ち物を回収し、船の残骸の中からガラスやプラスティックといった資源を集めよう。探索中は常に酸素の残量に注意を払う必要がある。また、放射能汚染や、電子機器に尿をかけて感電といった危険も存在するため、慎重な行動が求められる。
資源を集めたら、探索に役立つ装備や生命維持に欠かせない設備をクラフトしよう。ダクトテープが万能ツールとして活躍するという設定で、資源と組み合わせることによって膨大な種類の(役に立たない無駄なものを含む)オブジェクトを生み出せるようだ。たとえば装備ならば放射能汚染を軽減するヘルメットのような役立つものから、レンチの柄とニワトリを組み合わせたチキンレンチのような用途不明のものまでさまざま。設置できる設備も、電力を供給するソーラーパネルから、トイレ、ハムスター農場まで幅広い。さらに乗り物を作ることもでき、車型のロケットから、大型のスペースシャトルに至るまで種類は豊富のようだ。
一方で、生き延びることだけが目的ではなく、興味をそそるストーリーも提供するとしている。詳細は不明ながら、ブラックジョークやシニカルな対話、不滅のニワトリ、狂気に満ちた敵などを含む物語となるようだ。
本作の開発を手がけるのは、2017年に立ち上げたばかりのインディーデベロッパーRedRuins Softworks。開発メンバー4人の小規模なスタジオであり、本作が同スタジオの処女作となるようだ。一般的なサバイバルゲームとは異なるものを作るという意気込みが感じられるだけに、完成に期待したいところだ。
『Breathedge』の対象プラットフォームはPC(Steam)で、2018年中に早期アクセスとしてリリースを予定している。