正直なところ、知的労働では女性の方が優秀だと思う
突然ですが、僕は知的労働において、男性よりも女性の方が優秀だと思っています。
僕の休職前のポジションも、男女不平等のおかげで確保されたと思っているくらいです。公平に同じスタートラインと条件で競争したら、僕はおそらく女性に勝てない。そう思わされるくらい、本気で仕事をしている女性は強いです。
このエントリでは、男女の採用比率にみる人事の本音、それに対する経営陣の意識、女性がキャリアをあきらめてしまう原因とその責任の所在などを考えていきたいと思います。
また、シングルマザーを中途採用で優先的に雇用するという、少し変わった採用方法で女性活用に成功し、成果を上げた例を紹介したいと思います。
黙っていたら、労働人口は減少していますので、女性のキャリア継続はより重要な問題になるでしょう。僕自身は育児の経験から時間管理に対する問題を真剣に考えるようになりました。
僕の会社の男女比率は8:2だが、人事はもっと女性を採用したい
僕の会社の社員の男女の在籍比率は約8:2です。古典的な日本の会社です。
僕の会社の人事担当から聞いた話では、採用試験時に能力を公平に審査すると、男女の採用比率は約2:8になってしまうらしいのです。それではまずいので、男性評価に下駄を履かせて、近年は7:3くらいで採用しているそうです。
当然、人事担当も優秀な人材を採用したいので、男女の採用比率を5:5で採用したところ、経営陣からひどくお叱りを受けたそうです。
「そんなに女性を採用してどうするんだ!」
悲しいですが、これが経営陣の偽らざる本音だったのです。経営の立場からみれば、女性社員は、ようやく仕事で一本立ちする頃に結婚や出産のタイミングで辞める、という古いイメージが残っているのでしょう。であれば、教育コストを回収しきれない、という会社の言い分も理解できます。
何が女性のキャリアをあきらめさせているのか?
しかし、結婚や出産でキャリアを断念するのは女性社員自身が負うべき責任でしょうか?それで就業機会が制限されるのは間違いです。また、共働きが当たり前の時代ですから、女性社員もキャリアの継続を望む人があきらかに増えています。
では何が女性がキャリアを断念させているのかを真剣に考える必要があります。僕の考えでは、以下があると思っています。
- 保育園の不足という社会福祉の問題→これは国の責任。今まで国が専業主婦に育児を押し付けることで表面化してこなかった問題のツケ。
- 残業前提の仕事→これは会社の責任。男性中心の社会で、かつ効率化を無視してきたツケ。
要は、保育園が充実して、定時内に仕事が終われば、女性はキャリアを断念することなく、スムーズに仕事を再開できるはずです。たったこれだけの簡単なことのはずですが、上記2点は日本社会にとっては難易度の高い問題のようです。正直、理解に苦しみます。これは国も会社も本気になっていないだけです。なぜなら、これらができている先進国はいくつもあるのですから。
僕の家庭の場合
ちなみに、僕の妻は「短縮勤務」という制度を利用しています。これは、1日の労働時間を短縮し、育児と仕事の両立を図るための制度です。僕の娘の保育園は18時まで預かってくれますから、定時の17時で仕事を終わらせて迎えに行ければ、本来は「短縮勤務」を使う必要などないはずです。なお、この制度を使用すると、人事評価の減点対象になります。給与も減額されます。それも理解できないです。仕事の成果でのみ評価されるべきなのに。
シングルマザーを優先的に雇用した思わぬ効果
「私が人事やってた時は中途採用でシングルマザーを優先的に採用していたよ。」
そう教えてくれたのは、僕のカウンセラーの方(女性)です。彼女が会社員時代に人事を担当していた頃の話だそうですが、意外と参考になる事例ですので紹介させていただきます。
その会社はアパレル関係ということで、もともと女性が多い職場ではありました。しかし、他の社員と比較して、シングルマザーは女性は会社を一歩出たら、母親の役割が待っており、1分たりとも無駄にできないので、定時内で仕事が解決するように効率重視で働くそうです。
また、シングルマザーの場合は働く上での覚悟が違ったそうです。確かに自分の子どもを持つようになり、覚悟の気持ちをもちましたが、シングルマザーの女性は頼れるものが自分自身のみなので、より覚悟が強いのでしょうね。
この効率重視の働き方で、いびつな中途採用に難色を示していた経営陣を、結果を黙らせたそうです。かっこいい。
もしかしたら、今後の共働き増加の中で増えるであろうシングルファザーにも同じことが言えるかもしれません。育児をしていると時間配分を見直さないと何もできないですから。とくにワンオペ育児を強いられる場合は、だらだらと仕事はできないですからね。
自分の子どもは娘、将来のキャリアをどう考えるか?
まだ気が早いですが、僕の子どもは娘です。つまり女性です。まだ1歳半の娘ですが、彼女が大人になる時、社会は、世界はどのように変わっているのでしょうか?
「家族をもつ」という人間としてごく自然な行為のために、キャリアをあきらなければいけない、いびつな世の中から脱却していることを望みます。
もし日本がダメでも、すでに実践できている国はありますから、娘には広い視野を持ってもらいたいですね。